神社は、神様が鎮座する神聖な場所です。
初詣やお宮参り、七五三、合格祈願など、神社にお参りする機会は人生で数多くありますが、中には正しい参拝方法が分からず戸惑ってしまったり、お寺と混同してしまう方もいらっしゃるかと思います。
参拝方法は神社や地域によっても異なり、厳格な決まりはないため、神様に失礼の無いよう最低限のルールが守れていれば問題はありません。
本記事では、神社の基本的な参拝方法を分かりやすく解説します。
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神社は「二礼二拍手一礼」
神社での拝礼手順は、「二礼二拍手一礼」です。
「二拝二拍手一拝」とも言います。
深いお辞儀を「拝、または礼」といい、手を打ち鳴らすことを「拍手」といいます。
拝も拍手も日本古来の敬礼作法です。
神社の拝礼手順
①二拝 | 深いお辞儀(礼)を二回繰り返します |
②二拍手 | 両手を胸の高さで合わせ、右手を少し手前にずらし、両手を肩幅程度に開いて二回打ち鳴らします |
③ | ずらした右手を戻し、両手を合わせながら神様への感謝を持って、心を込めて願い事を捧げます |
④一拝 | 両手をおろし、最後に深いお辞儀(礼)をします |
神社とお寺では手順が異なり、拍手は無いので混同してしまわないよう注意しましょう。
お寺では合掌しながら一礼し、願いを念じた後、再度一礼します。
鳥居のくぐり方
神社の鳥居には、私たちが住む俗世と神様がお鎮まりになる御神域を区切る意味があります。
鳥居をくぐる前に、一礼し神様に礼を尽くします。
一礼は道の中央を避けた場所で行うようにしましょう。
参道の歩き方
鳥居から境内まで続く道を「参道」といいます。
参道の真ん中は「正中(せいちゅう)」と呼ばれ、神様の通る道とされます。
参道を歩く際は、神様への敬意を示すため、参道は真ん中を避けて、少し左右に寄って歩くようにしましょう。
参道の中央を横切る時は、軽く頭を下げながら通る。または中央で神前に向き直って一礼してから横切ることで敬意を示しましょう。
神社のお参り・参拝手順
神社の参拝手順は以下の通りです。
- 鳥居の前で一礼し、鳥居をくぐる
- 手水舎で手や口をすすぎ、心身を清める
- 参道を通り、御神前まで進む
- お賽銭を入れる
- (賽銭箱の真上付近に鈴がある場合)縄や綱を引いて鳴らす
- 二拝二拍手一拝で、拝礼する
- お守り・御札・御朱印をいただく
- 神社を出る際は、鳥居をくぐった後、社殿の方に向き直ってから一礼する
続いて、参拝手順に沿って作法と注意点を解説します。
1.一礼して鳥居をくぐる
鳥居をくぐる前に一礼し、神様に礼意を表します。
2.手水舎で心身を清める
鳥居をくぐると左手に手水舎(てみずしゃ・ちょうずしゃ)がありますので、参拝する前に、手と口をすすぎます。
これは禊(みそぎ)を簡略化したもので、身を清める意味があります。
手水の取り方には、ひしゃくを使う場合と、ない場合(流水)の場合があります。
参拝する際には、口や手を拭くためのハンカチを忘れずに持参しましょう。
手水の仕方(ひしゃくを使う場合)
- 手水舎に向かい、浅く一礼する
- 右手でひしゃくの柄を持ち、水を掬う
- その水で左手を洗い、次に柄を左手に持ち替え、右手を洗う
- ひしゃくを右手に持ち変え、左手に水を受け、その水で口をすすぐ
- 左手を洗う
- ひしゃくを両手で立てて、残った水が柄に流れるようにして柄を洗い、ひしゃくを元の位置に伏せて戻す
- ハンカチで口と手を拭き、最後に浅く一礼する
手水の仕方(流水の場合)
- 手水舎に向かい、浅く一礼する
- 両手を洗う
- 両手に水をためて、その水で口をすすぐ
- 再度、両手を洗う
- ハンカチで口と手をふいて、最後に浅く一礼する
● ワンポイントアドバイス
- 手を洗う際には、洗った水が水盤の中に戻らないように注意しましょう。
- ひしゃくの水は1度に使わず、1つの動作ごとに1/3を目安に使いましょう。
- 口をすすぐ際は、ひしゃくに直接口をつけないようにしましょう。
- すすいだ水を口から出す時は、左手で口元を隠すとより丁寧です。
3.参道を通り、ご神前まで進む
参道を通り、御神前まで進みます。
神社には「本殿」と「拝殿」があります。
本殿は神様をお祀りするための場所で、拝殿は参拝者がお参りするための建物です。
神社によっては、両方ある時があります。その場合、拝殿で参拝します。
本殿や拝殿がない御神体のみの神社もあります。
その場合、お賽銭箱がお参り場所の目印となります。
複数の神様をお祀りしている神社では、主祭神への拝礼をまず終えてから、他の神様に参拝しましょう。
4.賽銭箱にお賽銭を入れ、鈴を鳴らす
賽銭箱の前に立ったら軽く一礼し、神様への真心の印としてお賽銭を入れます。
お賽銭はお供物です。
かつてはご神前にお米などの食べ物をお供えしていたものが、貨幣の普及に伴い、金銭をお供えする形に変化していったといわれています。
お賽銭は放り投げるのではなく、丁寧に入れましょう。
賽銭箱の真上付近に鈴がある場合は、お賽銭を入れた後、鈴についている縄や綱を引いて鳴らします。
古来から鈴には魔除の霊力があるとされ、それが転じて、神事のときに鈴を鳴らすようになったと言われています。
神様に拝礼するにあたり、鈴の清らかな音色で参拝者を祓い清め、神様を敬う気持ちをもたらすとされ、また神様へのお参りの合図とも言われています。
5.拝礼
背筋を伸ばして姿勢を正した後、「二拝二拍手一拝」の手順で、真心をこめて参拝します。
「拝」とは深くお辞儀をすること、「拍手」は手を打ち鳴らすことです。
御神前では、願い事だけをお祈りするのではなく、神様への日頃の感謝の気持ちを込めてお祈りしましょう。
6.お守り・御札・御朱印・おみくじをいただく
御朱印は、神社や寺院の参拝証明として押印される印章・印影のことです。
そのため、拝礼後にいただくのが正しい参拝手順になります。
お守りや御札は、参拝後もご利益をいただけるよう身につけるものですので、こちらも拝礼後に授かるようにしましょう。
神社・お寺に関わらず、主祭神への拝礼が第一優先になりますので、おみくじも参拝の最後に引くようにしましょう。
7.神社から出る際も一礼する
神社から出る際は、入る時と同様に、鳥居の前で再度一礼し神様に礼を尽くします。
入るときは鳥居をくぐる前に一礼しましたが、出るときは鳥居をくぐり、神様の方に向き直ってから一礼します。
神社のお参りに関するQ&A
参拝に適した服装、NGな服装は?
参拝時の服装に厳密な決まりはありませんが、神様に敬意を表すという意味では、服装を正したものが望ましいとされます。
NGな服装の例としては、
- タンクトップやキャミソールなど、露出の多い服
- 短パン、サンダルなどの軽装
- 派手な色や柄の服
などが挙げられます。
また、帽子は鳥居をくぐる前に外すようにしましょう。
特にお宮参りや七五三で、社殿の中など特別な場所でご祈祷・拝礼する場合は、男性はスーツにネクタイ着用、女性もスーツやフォーマルなワンピース、着物などの正装が望まれます。
お賽銭の額に決まりはある?
お賽銭の金額に決まりは無いので、お気持ちの額だけ納めましょう。
よくお賽銭で納められるのが「五円」です。
額としては少ないですが、「ご縁がある」の語呂合わせで、縁起の良い額と言われています。
他にも、縁起が良い/悪いとされる硬貨には以下のようなものがあります。
縁起の良い硬貨 | 5円玉、50円玉 |
縁起の悪い硬貨 | 10円玉、500円玉 |
5円玉、50円玉は穴が開いていることから、「先の見通しが良い」とされています。
10円玉は、語呂合わせで「遠縁=縁が遠ざかる」。
500円玉は硬貨の中で最も高額なことから「これ以上の硬貨(=効果)はない」とされ、縁起が良くないと言われることがあります。
いずれも語呂合わせからくる縁起担ぎですので、あくまでも参考程度にしてください。
硬貨を納めることが一般的ですが、紙幣でも問題はありません。
金額に関わらず、感謝の気持ちを心を込めてお参りをすることが大切です。
お守り・御朱印を買うタイミングは?
お守りは参拝の後に、ご利益を身につけるものとして授かりましょう。
御朱印も、お守りを扱っている授与所や社務所でいただくことができます。
参拝の証として、参拝後にいただくのが正しい参拝手順になります。
直書きしていただけるところでは、御朱印をいただきたいページを開いて両手でお渡ししましょう。待っている間は心静かに待ち、お礼を言って両手で受け取りましょう。
引いたおみくじはどうする?
おみくじは、神意を問う占いの一つです。
大凶や凶を引いた時、境内の木の枝などに結んで帰る方が多いかと思います。
この木の枝に結ぶという慣わしは江戸時代からあるもので、木の生命力にあやかって、願いごとがしっかり結ばれますようにという思いを込めて始まったものだそうです。
近年では、たくさんのおみくじが結ばれることで木の芽や葉が傷んでしまうため、おみくじを結ぶ場所が専用に境内に設けられてる神社も多くあります。
おみくじは、単なる吉凶判断ではありません。
書いてある内容から、神意を感じ取り、その後の生活の指針として役立てていくものですので、持ち帰って時々読み返すことが良いとされています。
持ち帰り家で保管する場合は、願いが叶った時や、授かってから1年が経った頃を目処に、おみくじを頂いた神社の古札納所へ返納しましょう。
ペットを連れてお参りはできる?
多くの神社では、ペットを連れてのお参りは許可されていません。
神道では四本足の動物は「穢れ」と考えられ、神域への立ち入りは好ましくないとされています。
穢れとは、不吉である、縁起が悪いと思われる、清らかでない状態の事で、四つ足の獣はそのような存在であると考えられているからです。
近年ではペット連れが可能な神社も増えてきていますので、事前にHPなどで確認しましょう。
参拝に良い日、避けたい日はある?
神社を参拝する日に厳密な決まりはなく、いつでも参拝することができますが、縁起の良い日、悪い日はあります。
お宮参りや七五三、合格祈願、厄除け祈願など、特別な参拝の日には、参拝する日を選ぶと良いでしょう。
お参りに行くと良い日
- 毎月1日と15日:神様の日
毎月1日(朔日)に神社に参拝することを「お朔日参り」と言います。
毎月1日に、元旦に初詣に行くのと同じように、氏神様・鎮守様にお参りし、無事に過ごす事のできた1か月への感謝と、新しい月の無事(無病息災、家内安全)、生業繁栄などを祈念する風習からきています。
月の満ち欠けを基準する旧暦では、毎月1日に新月、15日の満月になります。江戸時代から新月と満月の日には神様の力が強まり、願望が成就しやすいと考えられ、1日と15日に参拝しました。
それぞれの神社で期日が違うこともありますが、国の平安と繁栄をお祈りする神事である「月次祭」を毎月1日や15日に執り行う神社が多くあります。
また、月参りとして1日と15日に神社にお参りするとご利益があるといわれています。
- 神吉日
神吉日(かみよしび)は、神様のご神徳を授かる日として、神社参拝や神事に良いとされる日です。
七箇の善日と呼ばれる「万事に良し」とされる吉日のひとつです。
神吉日は、1年を通して巡ってくる日数が多いので、他の吉日と重なる場合は、その吉日で推奨されている事柄を行うとさらに縁起が良く、運気が高まると考えられています。
神吉日の中で、特に運気の良い日は以下になります。
一粒万倍日(いちりゅうまんばいび) | 蒔いた籾が万倍にもなって実る日 |
天赦日(てんしゃび) | 神様が天に昇り、天がすべてのものを養い育て罪を許す日 |
大安 | 特に六曜の大安:大安は、万事が平穏安泰に進み、すべてにおいて「大吉」とされる日です。仏教の六曜から来ているもので、神道のものではありませんが、好まれる方は多いです。 |
お参りに避けた方が良い日
- 忌中
故人が亡くなってから49日(神道では50日間)の法要が終わるまでの間を「忌中」といいます。
神道では死は「穢れ」であるとされ、死の気配に触れることで神様の力が弱まるとされているため、忌中の間は神社へのお参りは避けましょう。(お寺は忌中でも参拝可能です)
- 不成就日
不成就日は「この日にはじめたことは、上手くいかなくなるとされる日」です。
他には、六曜の縁起の悪い日である「赤口」や「仏滅」があります。
中国発祥の吉凶の占いですから日本の神社とは関係がありませんが、気になる方は避けましょう。
赤口 | 赤口は「赤」という字が火や血を連想させる六曜の凶日とされます。 赤口は午前11時から午後1時の間だけは吉なので、その時間ならお参りしても問題ないとされます。 |
仏滅 | 仏滅は、すべてにむなしく万事が「凶」とされ、何ごとにも不吉とされる凶日です。 |
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