神社の鳥居や境内で目にすることの多い「しめ縄」。
自宅の神棚や、正月飾りとして玄関に飾る風習もありますが、しめ縄には一体どんな意味があるのでしょうか?
本記事では、しめ縄の意味と由来、種類について詳しく解説します。
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「しめ縄」の意味と由来
「しめ縄」は神道で使われる神祭具の一つで、「注連縄」「標縄」「〆縄」「七五三縄」とも表記されます。
神道の成立前、縄文・弥生時代の日本人は、巨大な樹木や岩石、山などを神様が宿る神聖な場所として崇拝してきました。これを自然信仰(磐座信仰)と言います。
次第に、神様のいらっしゃる場所と人が住む場所を境界で分け、聖域との境界を示すために「しめ縄」が用いられるようになり、仏教伝来とほぼ同時期に鳥居や社殿を作るようになったと言われています。
神社の御神木や、磐座(いわくら)と呼ばれる岩の周囲に巻かれているしめ縄は「神聖な場所」であることを表しており、神様が降りた神聖な場所に、邪気が入ってこないようにするための魔除けや結界としての意味があります。
神棚にしめ縄を飾るのもこうした由来からきており、お正月に玄関に飾る「しめ飾り」や、病気や悪霊が入ってこないよう村の境に張る「勧請縄」(別名:トリクグラズ)、茅の輪くぐりで使われる「茅の輪」もしめ縄の派生系と考えられています。
しめ縄の起源
しめ縄発祥の地として知られているのが、宮崎県高千穂町にある天岩戸神社です。
この神社は、『古事記』に記されている、天の岩戸伝説が生まれた場所と伝えられています。
「天の岩戸伝説」とは?
神代の昔、空の上に高天原という世界があり、八百万の神々が暮らしていました。
ある日、天照大御神(あまてらすおおみかみ)が弟の建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)のいたずらに怒り、天の岩戸と呼ばれる洞窟にお隠れになりました。
太陽神である天照大御神がお隠れになると、世界は真っ暗になってしまいました。
困った他の神々は天安河原に集まり、天照大御神に出てきてもらおうと様々な策を講じますが、どれも失敗に終わります。
そこで、天鈿女命が(あめのうずめのみこと)が天の岩戸の前で舞を踊り、それを見た他の神々たちが囃し立てます。
外の賑やかな様子を不思議に思われた天照大御神が戸を開けて外を覗いた瞬間、思兼神(おもいかねのかみ)が天照大御神の手を引き、岩の扉を手力男命(たぢからをのみこと)が開け放ち、無事に天照大御神を天の岩戸から出すことに成功。世界に再び光が戻りました。
天照大御神が再びお隠れにならないよう、布刀玉命(ふとだまのみこと)は天の岩戸に縄を張り、入り口を塞ぎました。
この時に使われた縄が、しめ縄の起源になったと考えられています。
お正月に飾る「しめ飾り」にはどんな意味がある?
しめ縄の派生である「しめ飾り」は、新年に幸運をもたらすと言われる年神様(歳神様)をお迎えし、その加護を受けるために玄関などに飾る習わしとなっています。
前述した通り、しめ縄は神様が降りる場所を清め、邪気を払う役割があることから、年神様を家にお招きする準備が整っていることをアピールするために、しめ飾りを飾るのです。
しめ飾りには、橙(だいだい)や扇、ウラジロ、昆布などの縁起物が付いているものが多く、家族の繁栄や長寿、無病息災を祈る意味が込められています。
しめ縄の種類
しめ縄には様々な形があり、神社によってサイズや紙垂・装飾の形も異なります。
以下に主な7種類と特徴をご紹介します。
鼓胴型
鼓胴型は、中央が最も太く、両端が細くなっているしめ縄です。
左右対称でバランスがよく、鳥居などで目にすることの多い形です。
牛蒡型
牛蒡型は、その名の通り野菜のごぼうに似た形をしているしめ縄です。
藁などを一方向に捻ったもので、片方が太く、もう一方が細くなっているのが特徴です。
大根型
牛蒡型と同じ形で、根元がさらに太い形状のものは「大根型」とも呼ばれます。
太い方の端を大根の葉のように広げ、全体に曲がった形で本物の大根のように作られているのが特徴です。
一文字型
「一文字型」は、鼓胴型と同じ作りをしていますが、端から端まで同じ太さで縄れているのが特徴です。
一文字型の代表例として、島根県の出雲大社神楽殿にある大しめ縄で、そのサイズは、長さ13.5メートル、直径6メートル、重さ5トンに及びます。
前垂れ
「前垂れ」は、藁をのれんのように垂らしたシンプルな形が特徴です。藁の代わりに垂を垂らす場合もあります。
藁と紙垂の両方が付いている場合、しめ縄=雲、紙垂=稲妻、藁=雨をそれぞれ表しており、豊作の願いが込められていると言われています。
シンプルな形状から設置がしやすく、御神木や磐座など、広範囲に結界を張る際に使われることの多いしめ縄です。
西日本地域では、牛蒡型に前垂れを組み合わせたしめ飾りが多く見られます。
玉飾り
「玉飾り」は、しめ飾りでお馴染みの形で、東日本地域でよく見られます。
輪っか状にしたしめ縄に、「さげ」と呼ばれる藁を垂らした形状をしています。
輪飾り
「輪飾り」も正月飾りとして飾られることの多いしめ縄です。
輪っかになった細いしめ縄に、紙垂や前垂れ、ユズリハを装飾したもので、玉飾りを簡略化したようなスリムな形状が特徴です。
縄の向きにも違いがある?
しめ縄の縄は稲藁などを編んで作られますが、太古の日本人は藁を綯う際に、用途によって縄の向きを変えていました。
神社のしめ縄とお正月に飾るしめ飾り、棺桶を縛る縄は「左縄」。
草履など日用品として使う縄は「右縄」といったように、縄の向きを吉と凶、浄と穢といった意味合いで使い分けていたのです。
左回り=反時計回りに綯われた縄のことを「左綯い」(ひだりない)と呼び、対して右回り=時計回りに綯われた縄のことを「右綯い」(みぎない)と呼びます。
しめ縄の素材
しめ縄の素材も様々あり、代表的なものは麻、麦藁、化学繊維素材の3つです。
各素材の特徴を詳しくご紹介します。
麻
もともと、しめ縄は麻で作られていましたが、現在は大麻の栽培制限により希少価値が高く、高価なものとなっています。
生命力の強い麻は、神道では不浄を祓うものとして考えられており、神の依代として麻を利用してきました。
また、麻自体を神棚にお供えする習慣もあったと言われています。
稲わら
自然素材のしめ縄は、稲藁を使ったものがほとんどです。
稲藁には、米の豊作・五穀豊穣の意味があると考えられています。
弥生時代に入り日本で稲作が始まると、稲に宿る精霊を「稲霊」(いなだま)として崇拝する「稲作信仰」が出現しました。
そのため、近年まで農家の家庭では、米の収穫が終わると、残った稲藁を使ってしめ縄を作り、翌年の豊作を祈る風習がありました。
現在の神道では、収穫後の稲藁ではなく、穂が出る前の青い稲を乾燥させたものを使うのが良いとされています。
化学繊維素材
お手入れがしやすく、雨や風にも強いのが化学繊維素材です。
屋外に使用しやすく、リーズナブルなのが特徴です。
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