お寺や神社で授かった「お守り」。役目を終えたお守りを手放したいと思っても、神様に関わるものだけに、ゴミとして捨ててよいものか迷ってしまう方は多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、正しい手順を踏んで丁寧に扱えば、お守りをご自宅で処分しても差し支えありません。バチが当たるようなこともありません。
本記事では、お守りをご自宅で処分する際の清め方の手順から、寺社への正しい返納方法、処分する際の注意点まで詳しく解説します。
この記事の結論お守りはゴミとして捨ててもいい?

お守りは、感謝の気持ちを込めて手順を踏めば、ご自宅でゴミとして処分しても差し支えありません。
お守りは神様の分身と考えられているため、他のゴミと一緒に無造作に捨ててしまうことは、たしかに望ましい扱い方ではありません。
しかし、大切なのは形式そのものよりも、これまで自分を守ってくれたことへの感謝を示すことです。
白い紙で包み、塩で清めるという所作を通して感謝を示すことができていれば、失礼にはあたらないと考えられています。
むしろ、返納できないまま何年も引き出しの奥に置きっぱなしにしておくほうが、お守りにとっては望ましくない状態と言えるでしょう。
「バチが当たる」と言われるのはなぜ?
「お守りをゴミに出したらバチが当たるのでは」という不安を抱く方は少なくありません。しかし実際には、お守りをご自宅で処分したことで罰が下る、といった考え方があるわけではありません。
では、なぜ「バチが当たる」と言われるのでしょうか。これは神様からの罰ではなく、神聖なものを粗末に扱ってしまったという後ろめたさが、言葉になったものと考えられます。
日本では古くから、道具や品物にも心が宿るという感覚が大切にされてきました。お守りのように願いを託してきたものであればなおさら、無造作に捨てることに抵抗を覚えるのは自然なことです。
裏を返せば、その後ろめたさが残らないように丁寧な手順を踏めば、不安を抱く必要はありません。感謝を伝えてから手放すことが、何よりの供養になります。
本来は「捨てる」ではなく「お納めする」

お守りは本来、お金を払って「購入する」ものではなく、神様から「授かる」ものとされています。同じように、手放すときも「捨てる」ではなく「お納めする」「お返しする」という言い方をします。
これは、お守りが単なる品物ではなく、神様のご加護そのものと考えられているためです。授かったご加護を、役目を終えたところで神様のもとへお返しする。この一連の流れがあって、はじめてお守りは一巡すると考えられています。
普段の会話で「捨てる」と言ってしまうこと自体に問題はありません。ただ、手放す際に少しだけ「お納めする」という言葉を思い出していただくと、自然と丁寧な扱い方につながるはずです。
自宅でお守りを捨てる方法・お清めの手順

返納できる寺社が近くにない場合は、ご自宅でお清めをしてから処分することができます。
用意するのは「白い紙」と「粗塩」の2つだけです。白い紙は半紙が理想ですが、なければ白い便箋やコピー用紙でも構いません。塩も粗塩が望ましいものの、ご家庭にある食卓塩で問題ありません。
手順は次の3ステップです。



鈴・金属飾り・プラスチックカバーは外して分別する

意外と見落とされがちなのが、お守りに付属しているパーツの分別です。
お守りには、鈴や金属製の根付、プラスチック製の透明カバーなどが付いていることがあります。これらは可燃ごみとして出すことができません。お守り本体(布と紙)と切り離し、お住まいの自治体のルールに従って、不燃ごみや資源ごみとして分別してください。
分別を守ることは、決して不敬な行為ではありません。むしろルールに沿って最後まできちんと処理することが、丁寧な手放し方につながります。
なお、キーホルダー型やカード型など、素材が分けにくいお守りもあります。その場合は無理に分解せず、自治体の分別区分に従って処分するか、次章で紹介する寺社への返納を検討しましょう。
自宅の庭で燃やすのはNG
「自分でお焚き上げをしてあげたい」と考え、ご自宅の庭でお守りを燃やそうとする方がいらっしゃいますが、これは避けてください。
廃棄物処理法により、家庭ごみの野外焼却(野焼き)は原則として禁止されています。自治体の条例でさらに細かく規制されている地域も少なくありません。また、煙や臭いは近隣トラブルの原因になりますし、集合住宅のベランダなどでは火災の危険も伴います。
お焚き上げは、本来は神職・僧侶が定められた作法にのっとって行う儀式です。ご自身で火を扱う必要はありませんので、お清めをしたうえで可燃ごみに出すか、寺社への返納を選びましょう。
お守りの正しい返納方法
最も丁寧な手放し方は、やはり寺社へお返しすることです。ここでは4つの方法を紹介します。
授かった神社・お寺の納札所に納める

お守りの最も正しい処分方法は、授かった神社・お寺にお返しすることです。
神社・お寺の境内には、古いお守りや御札をお返しするための場所が設けられています。神社では「納札所」「古神札納め所」、お寺では「納札所」などと呼ばれ、そこにお納めすることができます。
納められたお守りは後日、神職・僧侶によるご祈祷・ご供養が行われたうえで、お焚き上げされます。お焚き上げとは、お守りや御札を火によって天にお還しする儀式のことです。
返納自体は無料であることがほとんどですが、お参りをしたうえで、気持ちの分だけお賽銭を納めるとよいでしょう。お守りの数が多い場合などは、返納料として2,000〜3,000円程度を納めることもあります。金額が決められている寺社もありますので、事前に公式サイトなどで確認しておくと安心です。
遠方で直接返納が難しい場合は、郵送で返納するという選択肢もあります。お守りを送る前に、受け付けてもらえるか事前に確認しましょう。
授かった寺社と違う場所に返納してもいい?
旅行先で授かったお守りや、引っ越しをして遠くなってしまった場合など、授かった寺社に足を運ぶのが難しいこともあります。
結論として、事情がある場合は、授かった寺社とは別の寺社にお返ししても差し支えありません。
その場合は、同じ宗教・宗派の寺社に返納しましょう。
異なる神様・仏様を祀っている寺社へ返すのはマナー違反になるため注意が必要です。
また、すべての寺社が他所のお守りを受け付けているわけではありません。
「当社で授与したもののみ」としている寺社もありますので、持ち込む前に電話や公式サイトで確認しておきましょう。
どんど焼き(左義長)に持ち込む

「どんど焼き」とは、毎年1月15日前後の小正月に、神社やお寺、河川敷などで正月飾りや古いお守り・御札をお焚き上げする、日本の伝統行事です。地域によっては「左義長(さぎちょう)」「どんと祭」「鬼火焚き」など、さまざまな呼び方があります。
多くの会場では無料でお守りをお焚き上げしてもらえます(数百円程度の費用がかかる場合もあります)。宗教・宗派を問わず受け付けているところが多いのも特徴です。
ただし、会場によっては自社で授与したもの以外を受け付けていない場合や、お守り・御札は対象外としている場合もあります。また、鈴や金属パーツなどの不燃物はほぼ確実に対象外ですので、あらかじめ外した状態で持ち込みましょう。
開催は年に一度のため、時期を逃した場合は納札所への返納をご検討ください。
お守りを処分するときの注意点
最後に、お守りを手放す際に気をつけたい4つのポイントをまとめます。
お守りの中身は開けて見ない
お守り袋の中には、「内符(ないふ)」と呼ばれる、神様のご神徳が込められたお札が納められています。これはお守りの本体とも言うべきもので、本来は人の目に触れさせないものとされています。
「どんなものが入っているのだろう」と気になるかもしれませんが、開けて確認することは避けましょう。処分する際も、袋のまま包んでお納めしてください。
他人に譲らない
お守りのご加護は、授かったその人に向けられたものと考えられています。そのため、自分が持っていたお守りを他の人に譲ることは、基本的に避けたほうがよいとされています。
誰かにお守りを贈りたい場合は、ご自身の使いかけを渡すのではなく、新しいお守りを授かって贈るようにしましょう。
感謝を伝え、お賽銭を納めてから返納する
寺社に返納する際は、納札所にお守りを納めて終わりにせず、ご社殿・ご本堂にお参りをしてから帰るようにしましょう。
「一年間ありがとうございました」と感謝を伝え、少額でもお賽銭を納めることで、区切りをつけることができます。新しいお守りを授かる場合も、まず古いお守りへの感謝を先に伝えるのが丁寧な順序です。
複数の寺社のお守りをまとめて出すときは分けて包む
複数のお守りをまとめて手放す場合、神社のものとお寺のもの、あるいは宗派の異なるものが混ざっていることがあります。
ご自宅で処分する場合も、寺社に返納する場合も、授かった場所ごとに分けて白い紙で包むようにすると丁寧です。返納先では、神社のものは神社へ、お寺のものはお寺へと分けてお納めしましょう。
お守りの処分に関するよくある質問
お守りは普通に捨ててもいいですか?
何の手順も踏まずにゴミ箱へ入れてしまうことは、望ましい扱い方とは言えません。
白い紙の上に置いて塩をひとつまみ振り、紙で包んでから可燃ごみに出すという手順を踏めば、ご自宅で処分しても差し支えありません。
最も丁寧なのは、授かった寺社の納札所へお返しする方法です。
いらなくなったお守りはどうすればいいですか?
授かった神社・お寺の納札所にお返しするのが基本です。
足を運ぶのが難しい場合は、近くの同じ宗教・宗派の寺社に相談する、郵送での返納を受け付けている寺社を探す、1月のどんど焼きに持ち込む、といった方法があります。
いずれも難しい場合は、ご自宅でお清めをしてから可燃ごみに出すことができます。
何年も前の古いお守りは処分したほうがいいですか?
古いお守りを持ち続けること自体に問題はありません。
ただし、ホコリを被ったまま放置している状態は望ましくないため、大切に保管を続けるか、感謝を伝えて手放すかを一度考えてみるとよいでしょう。詳しくは以下の記事で解説しています。
人からもらったお守りはどう処分すればいい?
贈ってくれた方のお気持ちがこもったものですので、感謝を込めて手放しましょう。処分方法はご自身で授かったお守りと同じで構いません。
授与元の寺社が分かる場合はそちらへ、分からない場合は近くの同じ宗教の寺社にお返しするか、ご自宅でお清めをして処分します。贈ってくれた方に返却する必要はありません。
亡くなった家族のお守りはどうすればいい?
故人が大切にされていたお守りは、遺品として保管しても、お焚き上げをしても構いません。手放す場合は、授与元の寺社への返納か、郵送でのお焚き上げが丁寧です。
遺品整理などでお守り以外にもお焚き上げしたいものがある場合は、まとめて受け付けてもらえるか寺社に相談してみましょう。
複数の神社・お寺のお守りをまとめて返納できますか?
納札所では、複数のお守りをまとめてお納めすること自体は問題ありません。ただし、神社のお守りは神社へ、お寺のお守りはお寺へと分けてお返しするのが基本です。
他所のお守りを受け付けていない寺社もありますので、数が多い場合は事前に確認しておくと安心です。
交通安全ステッカーやペット用のお守りはどう処分する?
車に貼る交通安全ステッカーや吸盤タイプのお守りは、樹脂・金属が使われているため可燃ごみに出せないことがほとんどです。
自治体の分別区分を確認したうえで処分するか、不燃物も受け付けている寺社・サービスに相談しましょう。ペット用のお守りも、通常のお守りと同じ手順で手放して構いません。
お守りが入っていた袋や箱はどうすればいい?
授与の際に渡される紙袋や外箱は、お守り本体とは異なり、ご神徳が込められたものではありません。通常の紙ごみとして処分して差し支えありません。
ただし、寺社名や神紋が印字されているものが気になる場合は、他の紙と分けて包んで出す、お守りと一緒に納札所へ持参する、といった方法もあります。



