左義長とは?由来と全国の有名な左義長祭りをご紹介

左義長 とは 神社仏閣

毎年小正月の時期に全国の神社・お寺で開催される左義長(さぎちょう)。

左義長は別名、「どんど焼き」とも呼ばれており、古い正月飾りやお守り・御札をお焚き上げする伝統行事です。

地域によって様々な形式や言い伝えがあり、国や県の無形民俗文化財にも指定されています。

本記事では、左義長の由来と、全国の有名な左義長祭りを詳しくご紹介します。

神社のお焚き上げ_お焚き上げ

古いお守り・御札、正月飾りを処分したい。
でも、ゴミとして捨てるのは抵抗がある…

そんな方におすすめなのが、「神社のお焚き上げ」サービスです。
神社のお焚き上げなら、お品を封筒や箱に入れて神社に送るだけ。
日本三大稲荷の一つに数えられる祐徳稲荷神社で、最短1.5ヶ月で供養・お焚き上げしてもらうことができます。

神社のお焚き上げ の特徴・メリット
 送料無料
プラスチックなど不燃物も受付可能
個数制限なし
、規定サイズ内なら何個でも受付可能
✅ 
クレジットカード、オンライン決済可

どんど焼き・左義長への持ち込みが難しい方、今すぐお焚き上げしたい物がある方はぜひ活用してみてください。

左義長とは?

祐徳稲荷神社 お火焚き

左義長とは、小正月に行われる火祭りの行事です。

日本全国で広く見られる習俗で、門松やしめ縄など正月飾りを持ち寄って燃やし、出迎えた歳神様を見送り、その年の健康や幸福などを祈願します。

地域によって名称が異なり、「どんど焼き」「鬼火たき」や「道祖神祭」などとも呼ばれます。

開催日も地域により異なりますが、毎年小正月の時期(1月14〜15日頃)に行われるのが一般的です。

一般的には子どものための行事であることが多く、お正月に飾った松飾りなどを集めて焼き、災餅や団子を焼いて災難よけのまじないとして食べたりします。
子供たちが前夜からわらなどで小屋を造って飲食をともにして遊び,最後に火を燃やす例もあります。

左義長の火は神聖な火とされ、以下のような言い伝えがあります。

  • 書き初めを焼き、火が高く上がると書道が上達する
  • 火で焼いた餅や団子を食べると、虫歯にならず、1年を通して健康に過ごせる
  • 火で炙った昆布やスルメを食べると、1年間無病息災でいられる
  • 火の灰を自宅の庭などにまくと、家族が1年間無病息災でいられる
  • 願い事を書いた紙を燃やすと、1年間無病息災でいられる

左義長で燃やせるものや対象品は開催場所により異なるため、持ち込む前に必ず確認しましょう。

 

左義長の由来

京都 火焚祭

左義長の由来は、「三毬杖(さぎちょう)」と呼ばれる平安時代の宮中行事からだと考えられています。

平安時代に宮中で正月に行われた打毬(だきゅう)と呼ばれる遊戯で使用する毬杖(ぎっちょう)と言う道具がありました。

三毬杖は、打毬で破損した毬杖を3本束にして、青竹を束ねたものに結び、その上に扇子や短冊などを吊るし陰陽師が謡いはやしながらこれを焼いた行事でした。

毬杖を3つ結んだことから三毬杖・三木張などと記され、やがて左義長と呼ばれるようになったと考えられています。

 

現在も行われている主な左義長祭り

近江八幡左義長まつり|滋賀県

近江八幡左義長まつりは、毎年3月14日・15日に近い土日の2日間に渡り、滋賀県の旧八幡城下町によって日牟禮八幡宮に奉納される祭礼行事です。  天下の奇祭とも呼ばれる近江八幡左義長まつりは、国選択無形民俗文化財に指定され、毎年多くの人が訪れます。

近江八幡の左義長は、織田信長が城を築いた安土城下で毎年行われていたもので、派手好きで知られた織田信長が華美な衣装を身に纏い町衆たちに交じって踊り出たと「信長公記」に記されています。

近江八幡の左義長は特徴があり、新藁で美しく編んだ約3メートルの三角錐の松明の上に青竹を立て、細長い赤紙や薬玉、巾着、扇などで飾られ、左義長の中心にはその年の干支にちなんだ「だし」が据え付けられています。

左義長の担ぎ手の男性は踊り子と呼ばれ、信長の故事によって化粧し、「チョウヤレ、マッセマッセ」と掛け声勇ましく旧城下町を練り歩きます。

地区毎に左義長を担ぎ練り歩き、左義長同士が出会うと、「けんか」と呼ばれる左義長同士のぶつかり合いが繰り広げられます。日曜日の夜に境内で順次奉火されます。

開催日時 毎年3月中旬の土日、初日13:00~18:00、2日目10:00~23:00
注意点 持ち込み不可

近江八幡左義長まつり
会場:日牟禮八幡宮
住所:〒523-0828 滋賀県近江八幡市宮内町257
公式HP: https://www.sagicho.net/

 

大磯の左義長|神奈川県

大磯の左義長は、家内安全、無病息災を願って行われるセエノカミサン(道祖神)の火祭りとして、毎年1月14日近辺に大磯北浜海岸で行われています。国の重要無形民俗文化財に指定されています。

大磯の左義長の由来は、一つ目小僧と呼ばれる疫病神が、村人の1年間のおこないを書き留めた帳面をセエノカミサンに預け帰ったところ、帳面を預かったセエノカミサンは、自分の家とともに帳面を燃やしてしまったという話です。

この話から小正月に帳面を燃やすことによって、厄病神が来ることがなくなり、疫病にかからなくてすむという民間信仰となり火祭りが始まりました。400年の歴史があると言われています。

海岸に松や竹、正月飾りなどを使って7~8メートルの円錐型の「サイト」というワラの塔を作ることが特徴です。
日が暮れるとサイトにその年の恵方から一斉に点火され一年の無病息災を祈ります。

炎が先端に達するとサイトを恵方の方角に倒し、この火で団子を焼いて食べると風邪をひかない、燃やした書き初めが高く舞い上がると腕が上がる、松の燃えさしを持ち帰って屋根に載せておくと火災除けのまじないになるともいわれます。

続いてソリ型の台に乗せた疫病神を封じ込めた藁縄で編まれた「仮宮」を海に引き入れ、ふんどし姿の青年たちが海と陸から綱で引き合って豊漁を祈念する「ヤンナゴッコ」が勇壮に行われます。
引き合いの後仮宮は陸で踏み潰され、疫病神を退治します。

開催日時 毎年1月中旬(火入れは18時30分ごろから)
注意点 正月飾りなどはプラスチックや金属類を外してから持ち込むこと。

大磯の左義長
会場:大磯北浜海岸
住所:神奈川県大磯町大磯1990番地先
大磯町観光協会公式HP: https://www.oiso-kankou.or.jp/?p=we-page-entry&spot=179757&cat=19128&pageno=3&type=spot

 

勝山左義長|福井県

勝山左義長は、福井県勝山市で毎年2月の最終土日に行われている左義長です。小笠原氏が越前勝山藩に入部以来300年以上の歴史を誇る県指定無形民俗文化財です。

土曜日には、勝山市街地の各町内に櫓を建て、その上で赤い長襦袢姿の浮き手が、独特のおどけ仕草で三味線、笛、鉦による軽快なテンポの囃子にのって浮かれます。

日曜日の夕方に、各町内の正月飾りを積み上げた御神体(松飾理)を弁天河原に運び、午後8時に神明神社で採火した御神火が一斉に点火されます。 このどんど焼きで歳神を送り、五穀豊穣と鎮火を祈願します。

開催日時 毎年2月最終土日、土曜日13:00~(一番太鼓)、日曜日20:00~(どんど焼き)
注意点
  • 正月飾りを持ち込む際は、ビニール類、プラスチック類、生もの、金物などを外すこと。
  • 人形、門松などは不可。

勝山左義長
会場:弁天河原緑地
主催:勝山左義長林保存会
勝山市公式HP: http://www.city.katsuyama.fukui.jp/kankou/sagityo/

 

「左義長神事」鶴岡八幡宮|神奈川県

鶴岡八幡宮は、神奈川県鎌倉にある八幡宮です。鎌倉幕府を築いた源頼朝の祖先、源頼義が源氏の氏神として1063年に創建しました。

源頼朝が鎌倉幕府を開いた後、今の地に移され、鎌倉武士の守護神として崇敬されました。鎌倉幕府の祭事として、境内で流鏑馬、相撲、舞楽など行われ、今日に継承されています。

鶴岡八幡宮では正月飾りを燃やして1年の無病息災を願う左義長神事を毎年1月15日に行います。

神社に納められたお正月の注連飾りや門松、古神札などが円錐の形に積み上げて祭典を執り行い、浄火でお焚き上げします。
歳神様を浄火で焚き上げることにより、浄火とともに見送る意味があるとされるお祭りです。

当日は松をはじめとする正月飾りを持ち込むことができ、その場でお焚き上げしてもらうことが可能です。

開催日時 毎年1月15日 7:00~

「左義長神事」鶴岡八幡宮
住所:〒248-8588 神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-31
公式HP: https://www.hachimangu.or.jp/

 

「今尾の左義長」秋葉神社|岐阜県

今尾の左義長は、岐阜県の海津市の秋葉神社で2月の第二日曜日に行われます。

旧年の神札、新年用の門松やしめ縄を焼き、日(火)の神を迎え、大地を暖めて万物の成育を祈る正月の神事として、岐阜県重要無形民俗文化財に指定されています。

今尾の左義長は、1614年に初代尾張藩主が伊勢外宮の祭神である豊受姫大神を勧請して、現在の今尾神社を創建した頃から行われていたと伝えられている400年余りの歴史があります。

秋葉神社は、今尾神社の御旅所(祭礼のとき、みこしを本宮から移してしばらく安置する所)として1768年に創建されました。

今尾神社で当日早朝に左義長火祭り奉告の神事が行われた後、宮司以下参列者は秋葉神社へ移り、鎮火の神事を行います。

今尾の左義長は町内ごとに制作した青竹を枝や葉のついたまま鼓型にした「竹神輿」です。化粧をした若衆が秋葉神社まで担ぎ奉納し、竹神輿を焚きあげます。

点火されると、そろいの長襦袢に白足袋姿の若衆が、火花を飛び散り燃えさかる炎と煙の中を駆け回り、濡れた縄でその年の恵方の方角に倒します。

その倒れかたでその年の吉凶を占うとされます。
竹神輿の残り火を利用して、新年の正月飾りやお札や縁起物が燃やします。

燃え残りの青竹は火難・雷除けのお守り、残り火で焼いた餅は病魔除けになると言い伝えられています。

開催日時 毎年2月第2日曜日 正午点火

「今尾の左義長」秋葉神社
住所:〒503-0321 岐阜県海津市平田町今尾2948
海津市公式HP: https://www.city.kaizu.lg.jp/kosodate/0000000444.html

 

「左義長祭」白山比咩神社|石川県

白山比咩神社は、石川県白山市にある古社です。
崇神天皇7年(紀元前91年)に、本宮の北にある標高178mの舟岡山に白山比咩神社の社殿が創建されたと伝わっています。

日本三霊山に数えられる白山を神体山として祀る神社で、全国に2,000社以上ある白山神社の総本社です。境内には国宝の刀剣(吉光)のほか、重要文化財が多数伝えられています。

白山比咩神社の左義長祭は小正月の伝統行事として毎年1月15日に執り行なわれています。 正月飾りや書き初め、古いお札やお守りをどんど焼きでお焚き上げします。

開催日時 毎年1月15日 10:00~14:00
受付方法 / 日時 当日受付、または事前預かり
注意点 だいだい・お餅等の生もの・年賀状・手帳・カレンダー・人形・ぬいぐるみは預かり不可

「左義長祭」白山比咩神社
住所:〒920-2114 石川県白山市三宮町 二105−1
公式HP: https://www.shirayama.or.jp/index.html

 

「左義長火祭り」大須観音|愛知県

大須観音の正式名称は「北野山 真福寺 寶生院(宝生院)」という真言宗のお寺です。日本三大観音の1つに数えられます。

1333年に創建された当初は美濃の大須にありましたが、江戸時代に徳川家康の命により現在地に移転されました。

菅原道真の知恵が頂けるというご利益が有名で、学業成就・合格祈願で賑わうお寺です。

大須観音の左義長は、役割を終えた御札・御守とともに、しめ縄・お正月飾り、書き初めをお焚きあげし1年の無事を祈る行事で、毎年成人の日に合わせて行われる恒例の正月行事です。

1年の家内安全・身体健康・商売繁盛などをご祈願する「大護摩木」を奉納し、家庭の火除けのお札「火防守護」のお札を授与します。

開催日時 毎年1月第2月曜日(成人の日)14:30~
受付方法 / 日時 当日、納札所で受付
志納料 大護摩木志納料1,000円(1本)

「左義長火祭り」大須観音
住所:〒460-0011 愛知県名古屋市中区大須2-21-47
公式HP: http://www.osu-kannon.jp/

 

「左義長」射水神社|富山県

射水神社は、平安時代に書かれた神社の戸籍帳とも云われる「延喜式」神名帳(出雲本)には、越中(現富山県)で唯一最高の名神大社として記され、総鎮守一宮として、崇敬を集めてきた古社です。

御祭神の二上神は、往古より越中国を守り続けてきた神で、神徳は、五穀豊穣、商業繁盛、縁結びなど広範囲にのぼります。

射水の火祭りと呼ばれる左義長は、木を摩擦させる古式の発火法で種火を作る「舞鑚(まいぎり)」によって、御神前で御神火を起こし、やぐらに点火、お正月飾りや一年間お守りいただいたお守りや縁起物、書き初めなどを焚き上げます。

この御神火にあたると一年が無病息災と伝えられ、一年の感謝を込めて、毎年多くの方がお参りされます

竹で組んだ高さ十二メートルの大やぐらが呼び物です。

開催日時 毎年1月14日 17:00~20:00
受付方法 / 日時 当日持参
焼納初穂料 神棚は3000円以上
注意点
  • お神札・お守り・縁起物(破魔矢・熊手・ダルマなど)・しめ飾り・書き初め等は受付可
  • 年賀はがき・仏具・写真・祝儀袋・鏡餅のプラスチックケース・人形等は受付不可

「左義長」射水神社
住所:〒933-0044 富山県高岡市古城1番1号(古城公園内)
公式HP: https://www.imizujinjya.or.jp/

 

合わせて読みたい