しめ縄についている白いジグザグした形の紙を紙垂(しで)といいます。
神社の境内などでよく目にしますが、紙垂にはどんな意味があるのでしょうか?
本記事では、紙垂の意味と由来、種類、付け方について詳しくご紹介します。
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「紙垂」の意味と由来
しめ縄に付いている白い紙は、紙垂(しで)といい、和紙に切り込みを入れ、交互に切り曲げたものです。
「しだれ」を語源としており、「垂」「四手」「四垂」と表記される場合もあります。
しめ縄の他にも、神事に使われる玉串(たまぐし、たまくし)や祓串(はらいぐし)、御幣(ごへい=2本の紙垂を竹や木の幣串で挟んだもの)などにも使われています。
紙垂の形にはどんな意味がある?
紙垂のジグザクした形は、雷や稲妻をイメージしていると言われています。
稲妻は光、雷は音を指しており、雷の語源は「神鳴り」から来ています。
日本では太古から、稲妻は邪悪なものを追い払ってくれると信じられていました。
米の収穫時期である9〜10月は稲妻が多く発生することから、秋の季語にもなっています。
そのため、稲妻が光には神の力があり、豊作をもたらすものと考えられていました。
邪気を祓い、豊作をもたらす縁起の良い雷・稲妻の形を紙で模すことで、清浄で神聖な場であることを表していると考えられています。
紙垂の起源
紙垂が書物に初めて登場するのは、『古事記』の天の岩戸伝説が最古の記録とされています。
天照大御神が岩屋にお隠れになった際、神々が天照大御神に出てきてもらうために行った祭りの中で、榊(さかき)に木綿(ゆう)の白い布と、麻の青い布を垂れかけた。という記述があり、これが紙垂の起源と考えられています。
紙垂の種類
紙垂の作り方には様々な流派があり、「吉田流」「白川流」「伊勢流」の3つが代表的な流派と言われています。
一見、どれも同じように見えるかもしれませんが、紙垂の断ち方・折り方が違います。
紙垂の作り方は、地域や宗派によって考え方が異なり、神社によって決められている場合もあれば、主祭神や神事の用途、境内の内と外で使い分けている場合など様々です。
紙垂の数
神社や地域によって、紙垂の枚数や大きさも様々です。
神棚や玄関などに付ける紙垂は「四垂」が一般的ですが、中には「二垂」「八垂」などもあります。
今では国民的スポーツとなっている相撲も、かつては物事を決めるための神事として行われていました。
力士の最高位である横綱の名前は、横綱だけが腰に締めることを許されている白麻製のしめ縄の名称「横綱」に由来しています。
横綱にも紙垂が付いており、紙垂の枚数は「五垂」という決まりがあります。
素材
日本では古くから幣帛(へいはく=神様にお供えするもの)として、木棉(ゆう)・麻・絹などが用いられ、かつては木綿を紙垂にして榊に付けた木綿垂(ゆうしで)などが儀式に使用されてきました。
現在でも、伊勢神宮の式年遷宮など一部の神事で使用されています。
木棉とは、楮(こうぞ=和紙の原料となる植物)の繊維で織った布・紙のことで、比較的手に入れやすいものであったことから、次第に木棉を榊や串にくくり付け、さまざまな形に切って垂らして使うようになり、次第に和紙が用いられるようになりました。
現在では、奉書紙、美濃和紙、半紙などの和紙が多く使用されています。
しかし、和紙は水に弱いため、屋外に飾る場合は、プラスチックコーティングされた紙やコピー用紙を紙垂に使用する神社もあります。
紙垂の付け方
しめ縄に紙垂を取り付ける場合は、しめ縄の縄目に紙垂を挟み込むのが一般的です。
付け方に明確な作法はないため、しめ縄が固く、紙垂を差し込めない場合は、麻ひもで短冊のように紙垂を結びつけても構いません。
紙垂を取り付けるときは、位置が均等になるように紙垂を垂らしましょう。
また、紙垂には表裏があるため注意が必要です。
神棚などにしめ縄を飾る際、表裏どちらを外側に向けるかは神社によって考え方が異なります。
紙垂は境界の役目があることから、外側が表になるようにするのが一般的ですが、神様がいる場所に表面を向けた方が良い、という考え方もあります。
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