玄関に飾るお正月のしめ飾り、そして神棚に一年を通して飾るしめ縄。
どちらも役目を終えて外したとき、「そのままゴミ袋に入れてしまっていいのだろうか」と手が止まってしまう方は多いのではないでしょうか?
結論からお伝えすると、しめ縄は塩で清めて白い紙に包めば、家庭ゴミとして捨てても問題ありません。もちろん、より丁寧に手放したい場合は、神社への返納やどんど焼きという選択肢もあります。
また、正月飾りのしめ縄も、神棚のしめ縄も、捨て方そのものは同じです。異なるのは外すタイミングだけなので、難しく考える必要はありません。
本記事では、しめ縄の捨て方を3つの選択肢から整理し、素材別の分別ルール、自治体ごとの違い、お清めの手順、そして注意点まで詳しくご紹介します。
この記事の結論しめ縄の捨て方|選択肢3つ
しめ縄の捨て方は、大きく分けて「家庭ゴミ」「神社・お寺への返納」「どんど焼き」の3つです。
ひとくちにしめ縄といっても、玄関や門に飾るお正月のしめ飾りと、神棚に一年を通して飾る神棚のしめ縄があります。ただし、捨て方はどちらも同じで、違うのは外すタイミングだけです。
| しめ縄の種類 | 外す・処分するタイミング | 補足 |
|---|---|---|
| 玄関・門のしめ飾り | 松の内が明けたら | 関東は1月7日まで、関西は1月15日までが一般的 |
| 神棚のしめ縄 | 購入から1年を目安に | 年末の大掃除で新調し、古いものは初詣で納めるのが一般的 |
| 神社用・地域の大型しめ縄 | 張り替えのタイミングで | 数年に一度張り替えるものもあり、時期は場所により異なる |
どれが正解というものではなく、手軽さ・時期の制約・気持ちの納得度のどれを優先するかで選び方が変わります。まずは3つの捨て方の全体像を早見表で確認してみましょう。
| 捨て方 | 費用 | 時期の制約 | 手間 | こんな方に |
|---|---|---|---|---|
| 家庭ゴミ | 無料(袋代のみ) | なし | ◎ すぐできる | 時間がない・近くに神社がない方 |
| 神社・お寺に返納 | 無料〜お賽銭程度 | 寺社の受付期間による | ○ 持ち込みが必要 | できるだけ丁寧に手放したい方 |
| どんど焼き | 無料〜数千円 | 1月15日前後のみ | △ 日程が限られる | 伝統的な形で見送りたい方(神棚のしめ縄も可) |
家庭ゴミ
分別ルールを守れば、しめ縄は家庭ゴミとして処分できます。
そのままゴミ袋に入れるのは気が引ける、という方も、塩で清めて白い紙に包むというひと手間を加えるだけで、気持ちの面でも納得して手放せます。
神社・お寺に返納
神社やお寺の境内に設けられた「納札所(のうさつしょ)」に納める方法です。
納められたしめ縄は、古いお守りや御札と一緒に、後日境内でお焚き上げされます。返納自体は無料でできるところがほとんどです。
どんど焼き(左義長)
小正月(1月15日頃)に、神社やお寺の境内・河川敷などで行われる火祭りに持ち込む方法です。
お正月にお迎えした歳神様を、煙とともにお見送りするという意味を持つ、最も伝統的な手放し方といえます。
しめ縄はそのまま捨てても大丈夫?

自治体の分別ルールを守っていれば、しめ縄を家庭ゴミとして捨てても問題はありません。バチが当たるということもありません。
しめ縄はもともと、神聖な場所と俗世を隔てる結界の役割を持つものです。お正月のしめ飾りは歳神様をお迎えする依り代(よりしろ)として、神棚のしめ縄は神様をお祀りする場を清浄に保つ結界として飾られます。
そのため、どちらも本来はお焚き上げによって火の力で天へお還しするのが正式な形とされています。神社への返納やどんど焼きが「丁寧な方法」として語られるのは、この考え方が背景にあります。
とはいえ、近くに受け付けてくれる寺社がない、どんど焼きの日程に間に合わなかった、神棚の入れ替えが年明け以外のタイミングだった、というご家庭も少なくありません。
何ゴミになる?素材別の分別
しめ縄は、「縄の本体」と「飾り」で分別が変わります。これは正月飾りでも神棚のしめ縄でも同じ考え方です。
稲藁や紙といった自然素材でできた本体は燃えるゴミですが、近年の正月飾りにはプラスチックの橙や金属の水引が付いているものが多く、そのまま出すと回収してもらえないことがあります。
神棚のしめ縄は装飾が少なく、藁と紙垂(しで)だけというものが大半なので、比較的そのまま燃えるゴミに出しやすいタイプです。ただし、吊り下げ用のフックや金具が付いている場合は外してください。
パーツごとの目安は以下の通りです。
| パーツ | 主な素材 | 分別の目安 |
|---|---|---|
| しめ縄本体 | 稲藁・麻 | 燃えるゴミ |
| 紙垂(しで)・和紙の飾り | 紙 | 燃えるゴミ |
| 橙・南天などの装飾 | プラスチック・造花 | プラスチックゴミ/燃えないゴミ |
| 水引・扇の芯・フック | 針金・金属 | 燃えないゴミ(金属類) |
| 台座・リースベース | 樹脂・発泡スチロール | 自治体のルールに従う |
| モダンしめ縄・リース型 | 化学繊維・ドライフラワー | 素材ごとに要分別 |
飾りを外さずにそのまま可燃ゴミへ出すと、収集されずに残されてしまうことがあります。手間に感じても、プラスチックや金属のパーツは必ず切り離してから出すようにしましょう。
また、神社用の太いしめ縄や、玄関ドアの幅ほどある大型のしめ飾り・長いリースは、粗大ゴミ扱いになる場合があります。
多くの自治体では「一辺がおおむね30cmを超えるもの」が粗大ゴミの対象で、数百円程度の手数料と事前の申し込みが必要です。判断に迷う場合は、縄をほどいて指定袋に入る大きさにするか、自治体の窓口に確認してから出すと安心です。
自治体別の分別例
同じしめ縄でも、分別区分や指定袋のルールは自治体によって異なります。
主要な自治体の例を挙げますが、必ずお住まいの地域のルールを確認してから出してください。
| 自治体 | しめ縄本体の区分 | 備考 |
|---|---|---|
| 東京都世田谷区 | 可燃ゴミ | 金属・プラスチックの飾りは不燃ゴミ/プラ資源へ |
| 大阪市 | 普通ゴミ | 一辺30cmを超える大型のものは粗大ゴミ |
| 名古屋市 | 可燃ゴミ | 針金など金属類は「金属製品」へ分別 |
| 札幌市 | 燃やせるゴミ | 有料指定袋の使用が必要 |
| 福岡市 | 燃えるゴミ | 指定袋に入る大きさにしてから排出 |
確実に調べたい場合は、お住まいの自治体の公式サイトにある「ごみ分別辞典」で「しめ縄」または「正月飾り」と検索するのが早道です。掲載がない場合は、清掃事務所やごみ受付センターに問い合わせてみましょう。
塩で清めて処分する手順(より丁寧な捨て方)
家庭ゴミとして出す場合も、次の4つのステップを踏めば、気持ちよくしめ縄を手放すことができます。特別な道具は必要なく、白い紙(新聞紙でも可)と塩があれば十分です。


神棚のしめ縄を新しいものに交換する場合も、同じ手順で問題ありません。
神社・お寺の納札所に返納する

神社やお寺の境内には、古いお守りや御札を返すための「納札所(古札納所)」が設けられているところがほとんどです。しめ縄も、この納札所に納めることができます。
正月飾りのしめ飾りはもちろん、神棚から外した古いしめ縄も同じように納められます。神棚のしめ縄を新調する際は、初詣に合わせて古いものを持参し、新しいものを授かるという流れが一般的です。
納められたしめ縄は、後日、お守りや御札とともに境内でお焚き上げされます。火の力で天へお還しする、最も正式に近い手放し方といえるでしょう。
返納自体は無料でできるところが大半ですが、必ず本殿に参拝し、気持ちの額だけお賽銭を納めてから納札所へ向かうのがマナーです。「一年間お守りいただきありがとうございました」と伝えてから納めましょう。
ただし、すべての寺社がしめ縄を受け付けているわけではありません。年末年始の期間しか返納を受け付けていないところ、正月飾りは対象外としているところ、他社で授与されたものはお断りしているところもあります。
また、プラスチックや金属など燃えない素材が付いたままでは受け付けてもらえないことがほとんどです。持ち込む前に必ず飾りを外し、藁と紙だけの状態にしておきましょう。
確実に受け付けてもらうためには、事前に社務所へ電話で確認しておくのが安心です。
どんど焼き(左義長)に持ち込む

どんど焼きとは、毎年小正月(1月15日頃)に、神社やお寺の境内で古いお正月飾りやお守り・御札、ダルマなどの縁起物をお焚き上げする伝統行事です。地域によっては「左義長」「とんど」「さいと焼き」などとも呼ばれ、自治体主催で河川敷などで開催されることもあります。
この行事には、お正月にお迎えした歳神様が、どんど焼きの煙とともにお帰りになるのをお見送りするという意味があります。煙や火の粉にあたると無病息災や家内安全が叶うともいわれ、縁起の良いイベントとしても親しまれてきました。
正月飾りが主役の行事ですが、神棚から外した古いしめ縄やお守り・御札も一緒に受け付けてもらえるところがほとんどです。年末に神棚のしめ縄を新調した方は、古いものを取っておいてこの機会に持ち込むとよいでしょう。
費用は無料の場合が多いものの、寺社によっては受付料が必要なケースもあります。
持ち込む前には、プラスチックや金属の飾りを必ず外してください。多くの開催場所では不燃物は対象外とされており、有害な煙が出る恐れもあります。ビニール袋に入れたまま火にくべるのも厳禁です。持参した袋は持ち帰りましょう。
なお、どんど焼きは年に一度しか行われません。日程を逃してしまった場合は、神社の納札所への返納か、家庭ゴミでの処分を検討しましょう。翌年まで保管しておくのは避けるのが望ましいとされています。
しめ縄を捨てるときの注意点
しめ縄の使い回し・翌年への保管は避ける
お正月のしめ飾りは、その年の歳神様をお迎えするための依り代です。そのため、毎年新しいものを用意するのが本来の形とされています。
繰り返し使うと「新しい神様をお迎えする力が弱まる」といわれる文化的な背景があり、来年のためにと取っておくよりも、役目を終えた時点で感謝を込めて手放すほうが望ましいとされています。
神棚のしめ縄も同様で、購入から1年を目安に新しいものへ交換するのが一般的です。傷んでいないように見えても、埃や油煙で少しずつ汚れていきます。年末の大掃除に合わせて新調し、清浄な状態で新年を迎えましょう。
処分し損ねて数年分たまってしまった、という場合も心配はいりません。まとめて同じ手順で清め、納札所や家庭ゴミで手放して問題ありません。
他のゴミと同じ袋に入れない/踏まない
生ゴミや使用済みの日用品と同じ袋に入れる、床に置いたまま放置する、うっかり足で踏んでしまう——こうした扱いは避けましょう。
無理に小さく切り刻む必要はありませんが、どうしても袋に入らない場合は、一礼してから縄をほどく・折りたたむなど、丁寧な所作を心がけてください。
しめ縄の捨て方に関するよくある質問
100円ショップやニトリで買ったしめ縄も同じ捨て方でいいですか?
はい、同じで問題ありません。ただし、価格帯の手頃な商品ほど化学繊維やプラスチックの装飾が使われていることが多いため、分別には注意が必要です。素材表示を確認し、燃える部分と燃えない部分を分けてから出しましょう。
ドライフラワーやリース型のモダンなしめ縄はどう捨てますか?
ドライフラワーや水引は燃えるゴミ、リースの土台に使われている樹脂やワイヤーは燃えないゴミが目安です。装飾が多いぶん分解に手間がかかりますが、パーツごとに分けて出してください。神社に返納する場合も、不燃素材は外す必要があります。
手作りのしめ縄も神社に返納できますか?
自作のしめ縄でも、多くの寺社では正月飾りとして受け付けてもらえます。ただし授与品ではないため、対応は寺社によって異なります。持ち込む前に確認しておくと安心です。
去年のしめ縄を捨て忘れました。今から処分しても大丈夫?
問題ありません。時期を過ぎてしまっても、感謝を伝えて清めたうえで手放せば十分です。どんど焼きの時期でなければ、納札所への返納か家庭ゴミでの処分を選びましょう。
神棚のしめ縄はいつ交換・処分するのがいいですか?
購入から1年を目安に、年末の大掃除のタイミングで新しいものに交換するのが一般的です。古いものは初詣の際に神社へ納めるか、本記事の手順で清めて処分してください。
神棚のしめ縄を年の途中で外した場合はどうすればいいですか?
引っ越しや神棚の入れ替えなどで、年明け以外のタイミングで外すこともあります。その場合はどんど焼きを待つ必要はなく、神社の納札所へ納めるか、塩で清めて家庭ゴミとして処分して構いません。納札所は通年で受け付けている寺社も多くあります。
喪中の年に飾ったしめ縄はどう扱いますか?
喪中は正月飾りを控えるのが一般的なため、飾らなかったしめ縄が手元に残っている場合もあります。この場合も、未使用・使用済みを問わず、通常と同じ方法で手放して問題ありません。
神棚や御札もまとめて処分したい場合は?
神社の納札所であれば、しめ縄・御札・お守りをまとめて納められる場合がほとんどです。神棚本体など大きなものは受け付けの可否が分かれるため、事前に確認してください。



