終活のやることリスト【決定版】準備の進め方・注意点を分かりやすく解説

終活 やることリスト コラム

終活を始めようとエンディングノートを買ってみたは良いものの、どこから手をつけて良いか分からずお悩みの方も多いのではないでしょうか?

本記事では、終活で具体的にやることを順番に分かりやすく解説します。
ご自身のペースで、時には家族や専門家の手を借りながら、終活を進めていきましょう。

まだ終活を始めるか迷っている方は、こちらの記事をご覧ください↓

 

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【終活】やることリスト

エンディングノートを作成する

遺言書 エンディングノート

エンディングノートは、終活医療や介護、葬儀、遺産相続などに関する自分の意思・希望を記録するための重要なツールです。

エンディングノートには、主に以下の内容を記載します。

基本情報
  • 氏名
  • 生年月日
  • 住所
  • 連絡先(電話番号・メールアドレスなど)
  • 緊急連絡先(親族や親しい友人)
家族・友人の情報
  • 配偶者の名前
  • 子供の名前
  • 兄弟姉妹の名前
  • 親戚の名前
  • 友人や知人の連絡先
医療・介護に関する希望
  • かかりつけの病院名と連絡先
  • 持病やアレルギーの有無
  • 服用している薬のリスト
  • 緊急時の対応(心配蘇生の希望や有無など)
  • 延命治療に関する希望
  • 臓器提供に関する意見
財産・資産の情報
  • 銀行口座の情報(銀行名、支店名、口座番号)
  • 保有する不動産の情報
  • 有価証券(株式、債券など)の情報
  • 保険の情報(生命保険、損害保険など)
  • 年金の情報
  • 貴重品や骨董品のリスト
終末期の希望
  • 葬儀の形式(宗教儀式、無宗教式など)
  • 葬儀を行う場所
  • 希望する葬儀社
  • 連絡してほしい人のリスト
  • 遺影として使用する写真
  • お墓の場所や墓石のデザインに関する希望
遺言・相続に関する情報
  • 遺言書の有無と保管場所
  • 相続に関する希望(財産分配の希望など)
  • 信頼できる弁護士や行政書士の連絡先
その他の希望
  • 家族・友人に伝えたいメッセージ
  • 思い出の品や大切な物の取り扱いに関する希望
  • ペットの世話や引き取り先
その他の連絡先リスト
  • 近隣の住民や友人の連絡先
  • 職場の連絡先
  • その他の重要な連絡先

エンディングノートには法的効力がありません。そのため、遺産相続など法律に関係する事柄は別途、遺書を作成する必要があります。

エンディングノートに記載した内容はいつでも書き換えることができます。定期的にノートを見直し、変更がある場合は修正しましょう。

自分の死後、遺族がエンディングノートを発見しなければ作成した意味がありません。ノートの保管場所はあらかじめ家族に伝えておきましょう。

 

財産を整理する

生前整理 財産管理

  • 不動産
  • 銀行口座
  • クレジットカード
  • 有価証券(株、投資信託など)

など、自分の所有する財産を見直し、整理しましょう。
不要な財産、使っていない口座やカードを整理することで、遺族・相続人の負担を軽減することができます。

以下の項目に沿って整理を進めましょう。

不動産の整理

保有不動産の把握 自分が保有しているすべての不動産をリストアップする
不動産の評価 各不動産の市場価値を評価する
活用状況の確認 各不動産がどのように活用されているかを確認する
不動産の活用方法の検討 不動産の活用方法について再検討する(売却・賃貸・処分など)
名義の確認と変更 不動産の名義が正しく登録されているかを確認し、必要に応じて名義変更する
税金対策 不動産の見直しに伴い、相続税や固定資産税などの税金対策を検討する(生前贈与・小規模宅地の特例など)

不動産の相続登記・譲渡(名義変更)は司法書士に依頼することでスムーズに手続きを行うことができます。

不動産の見直し・整理は複雑な手続きが伴うため、必要に応じて不動産業者・税理士・弁護士・不動産鑑定士など、不動産管理に詳しい専門家に相談しましょう。

銀行口座の整理

口座の使用状況を確認する 現在保有している全ての銀行口座の使用状況を確認する
必要な口座と不要な口座を選別する リストアップした口座の中から必要口座と不要口座を選別する
銀行の手数料やサービスを確認する 各銀行のATM利用手数料や振込手数料・インターネットバンキングやモバイルバンキングの利便性・各種サービス(ポイントプログラムや特典など)を確認する
自動引き落としや振込先の見直し 公共料金やクレジットカードの引き落とし先の口座や、定期的な振込や受け取りがある場合、その口座情報の変更手続きを行う
不要な口座を解約する 長年使っていない休眠口座の解約や、引き落とし口座を一つの銀行口座にまとめる
銀行口座のリストを作成する 残す口座の情報をリスト化し、書類を保管する(通帳やキャッシュカードの保管場所を家族と共有する)

銀行口座は定期的に見直し、リストを常に最新の状態に保つことが大切です。
通帳やキャッシュカードの保管場所は、不測の事態に備え家族に共有しておくか、エンディングノートに記載しておきましょう。

クレジットカードの整理

所有するクレジットカードの確認 現在所有しているすべてのクレジットカードを確認する
使用状況の確認 定期的に使用・ほどんど不使用・特定の支払いに使用など、現在の使用状況を確認する
年会費や特典の見直し 年会費が発生するカードはそれに見合ったポイントや特典が得られるか確認する
自動支払いの変更 クレジットカードの見直しに伴い、自動支払いの設定を確認する(公共料金の引き落としやサブスクリプションサービスの支払いなど)
不要なカードを解約 不要なカードがあれば解約する
セキュリティの強化 クレジットカードの暗証番号などの情報を安全な場所に保管したり、定期的に支払い明細書を確認し不正利用がないかをチェックする

クレジットカードがたくさんあると管理が行き届かず、万が一、不正利用があった場合に気づくタイミングが遅れる恐れがあります。

歳を重ねるにつれ記憶力も低下していくため、危機管理能力がしっかりしているうちに、カードは必要な物以外極力解約することをお勧めします。

有価証券(株、投資信託など)の整理

保有する有価証券を確認 現在保有している証券会社の口座と有価証券(株式、投資信託、債券など)を確認する
資産の評価とリスクの見直し 保有している有価証券の現在の価値やリスクを評価する
不要な資産の整理・売却 不要な資産やリスクが高すぎる資産を整理する
ポートフォリオの再構築 不要な有価証券を売却し、今後のポートフォリオを再構築する
証券会社の口座 整理後の資産状況を、遺言書や財産目録・エンディングノートに記載する

有価証券は定期的に見直しを行うことが重要です。
市場の変動やライフスタイルの変化に応じて、その都度見直し・整理しましょう。

必要に応じて、金融アドバイザーや税理士などの専門家に相談しながら進めるとよいでしょう。

 

財産目録を作成する

財産の整理が終わったら、財産目録に保有する全ての財産を記載しましょう。

財産目録を作成することで、相続人が遺産相続や税務処理をスムーズに進めることができます。
また、財産目録は定期的に見直し、常に最新の情報を保つようにしましょう。

財産目録に記載する内容

現金・預金 銀行口座の情報・現金の保管場所
不動産 自宅・土地・賃貸物件の詳細
有価証券 株式・債券・投資信託のリスト
保険 生命保険や損害保険の契約内容
貴重品 宝石・貴金属・骨董品などの高価な物品
その他の資産 車・コレクション・年金情報など

 

老後資金の見直し・確保

老後資金

老後資金の見直しと確保は、ご自身が安心して老後を過ごすためだけでなく、ご家族が安心して生活を続けていくためにとても重要です。
以下の項目に沿って見直してみましょう。

現在の生活費 現状の収入と支出を把握し、老後に必要な生活費を計算します
年金 公的年金の受給額を確認し、不足する場合は私的年金(個人年金保険や確定拠出年金など)で補います
貯蓄と投資 老後に向けて貯金を増やすと同時に、安全で安定した投資先を検討します。定期預金や国債、低リスクの投資信託などが選択肢です
居住費 住居費の見直しや持ち家のリフォームなど、住まいにかかる費用を予測し、備えます
医療費 医療保険や介護保険を確認し、必要な場合は追加の医療保険に加入して医療費の負担を軽減します

老後に必要な資金は人によって異なります。
「老後2,000万円問題」が話題になりましたが、重要なのは、現在の自分の収支を把握することです。

若い時と比べて老後はアクティブに動かなくなるため、大きな支出も減る傾向があります。
逆に高齢になると病気になる可能性が高いため、これまでより医療費の確保が必要になるかもしれません。

終末医療や介護、セカンドライフの過ごし方を考慮しながら、老後に必要な資金を確保し、安心して暮らせる環境を整えていきましょう。

 

相続税対策を検討する

遺言書 遺産相続

相続税対策を行うことで、自分の死後、遺産を相続するご家族の負担を減らすことができます。
以下の項目に沿って対策を進めましょう。

遺言書の作成 遺産の分配方法を明確にするために、法的に有効な遺言書を作成し、これにより、相続争いを防ぐ
生前贈与 年間110万円までの非課税枠を活用し、財産を生前に少しずつ贈与することで、相続税の対象財産を減少させる
保険の活用 生命保険の非課税枠(500万円×法定相続人の数)を利用して、相続税の負担を軽減させる
不動産対策 不動産の評価額を下げるために、賃貸不動産の購入やリフォームなどを検討する
特に小規模宅地等の特例を活用することで、評価額の大幅減少が期待できる
専門家への相談 税理士や弁護士、ファイナンシャルプランナーに相談し、最適な相続対策を実施する

これらの対策を通じて、相続手続きをスムーズに進め、相続人の経済的負担を軽減できます。
計画的な相続対策は、家族の安心と円滑な財産継承に繋がります。

 

デジタル遺品の整理

スマホ パソコン デバイス

「デジタル遺品」とは、スマートフォン・パソコンなどデジタルデバイスや、その内にあるデータ、webサービスのアカウント・サブスク契約などを総称する言葉です。

近年、故人のデジタル遺品を遺族が整理する際に、デバイスのロック解除やアカウントへのログインができず、サブスク契約を解除できないといった問題が多発しています。

終活の一環として、デジタル遺品の整理を行うことで、自分の死後、遺族がデジタル遺産の扱いに困らないよう対策することができます。
以下の項目に沿って整理を進めましょう。

デバイスの整理 使用していないスマートフォン、パソコンなどを処分する
アカウントの見直し・整理 SNS、メール、ネットバンキング、クラウドサービス、webサービスなどのアカウントをリストアップし、不要なアカウントがあれば解約・削除する
サブスク契約の見直し・整理 使っていないサブスクサービスを解約する
データの削除・整理 自分の死後、遺族に見られたくないデータがあれば削除する
重要データのバックアップ 重要なデータは外部ハードドライブやクラウドにバックアップし、必要に応じて家族にアクセス権を設定する
デジタル遺産のリスト化 各デバイスのロック解除方法、各種webサービスのログイン情報をリスト化する
リストの共有 デジタル遺品のリストをエンディングノートに記載しておく、パスワード管理ツールを使用するなど、遺族に共有できるよう対策しておく
デジタル遺言書の作成 必要に応じて、デジタル遺産の処理に関する希望を明記したデジタル遺言書を作成する(法的な遺言書と併せて保管する)

 

終末医療の希望をまとめる

入院 高齢者 終末医療

エンディングノートに終末医療の希望を記入しておくことで、万が一、ご自身が家族と意思疎通ができない状態になった際に、どのような医療やケアを受けたいか伝えることができます。

延命治療の判断は家族にとって大きな精神的負担になるほか、医療費の負担は家族にも影響が及ぶ可能性があるため、希望を書き記しておくことで、残された家族の負担を軽減することができます。

以下の項目に沿って、エンディングノートに終末医療の希望を記入しましょう。

延命治療の意思 心肺蘇生や人工呼吸器の使用、点滴などの延命治療を希望するかどうかを明確にする
緩和ケアの希望 痛みを和らげるための緩和ケアやホスピスケアの希望を記載する
臓器提供の意思 臓器提供や献体の希望がある場合、その意思を明確にしておく
医療代理人の指定 自分の意思を代弁してくれる信頼できる医療代理人(家族や友人)を指名し、その人に自分の希望を伝えておく
リビングウィルの作成 医療に関する具体的な希望を文書にまとめたリビングウィル(生前の意思)を作成し、医師や家族に保管してもらう

 

介護の希望をまとめる

介護

少子高齢化に伴い、介護要員の不足をはじめ、老老介護や認認介護、高齢者への虐待などが深刻な社会問題となっています。

介護は家族にとって肉体的にも精神的にも大きな負担となるため、終活中にできる限り家族の介護負担を減らす対策をしておくことが大切です。

以下の項目に沿って、エンディングノートに介護の希望を記入しましょう。

介護を受ける場所 自宅での介護を希望するか、介護施設(特養、老人ホーム、デイサービスなど)での介護を希望するかを明確にする
介護サービスの内容 訪問介護、デイケアサービス、リハビリテーションなど、具体的にどんな介護サービスの内容を希望するか確認する
介護者の選定 家族、友人、またはプロの介護者にどの程度の介護を依頼するか、誰に介護を任せたいかを決めておく
費用の計画 介護にかかる費用をどうするか、介護保険や自己負担の範囲について計画を立てておく
医療機関との連携 定期的な医療チェックや緊急時の対応について、かかりつけ医や医療機関との連携方法を決めておく

 

緊急時の連絡先リストを作成する

近年、単身で暮らす高齢者の増加に伴い、孤独死の増加が深刻な社会問題となっています。

居住している地域以外の場所で亡くなった場合に、行政側が家族との連絡が取れず、亡くなったことが家族に伝えられない。または火葬後に知らされるといった事態も起きています。

そうした悲しい事態を防ぐために、単身で生活されている方は特に、緊急時の連絡先リストを作成し、万が一の事態に備えて普段から持ち歩くようにしてください。

連絡先リストは孤独死だけでなく認知症による徘徊、地震や災害時にも役立ちます。
以下の項目に沿ってリストを作成しましょう。

家族・親戚
  • 配偶者
  • 子供
  • 兄弟姉妹
  • その他近親者

の連絡先を一覧にする(電話番号、メールアドレス、住所を含む)

友人・知人 親しい友人や近隣の住人など、助けが必要な場合に頼れる人の連絡先を記載する
医療機関・かかりつけ医
  • かかりつけ
  • 医歯科医
  • 介護施設

など、緊急時に対応してくれる病院の連絡先を記載する

法律関係者
  • 弁護士
  • 行政書士
  • 遺言執行者

など、法的な助けが必要な場合の連絡先を記載する

その他
  • 勤務先
  • 金融機関
  • 保険会社
  • 不動産管理会社

など、特定の手続きが必要な場合の連絡先を一覧にしておく

 

遺言書を作成する

遺言書 遺書

遺言書の作成は、自分の財産・遺産を誰にどのくらい分配するかを明確に記しておく重要な手続きです。

遺言書を作成することで、以下のようなメリットがあります。

財産分配の明確化 自分の財産を誰にどのように分配するかを明確にし、相続人間のトラブルを防ぐ
特定の希望を実現 特定の相続人に特別な贈与をしたい場合や、特定の条件で財産を渡したい場合、その意志を確実に実現できる
法的効力の確保 法的に有効な遺言書を作成し、確実な遺産分割を行う(自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言など)
未成年者や障害者の保護 未成年の子供や障害を持つ家族のために、後見人を指名したり、財産管理を委託したりできる
相続税対策 適切な遺産分割方法を選ぶことで、相続税の負担を軽減できる

遺言書は、法的に有効であることが重要です。
形式や内容に不備があると無効となる場合があるため、必要に応じて専門家(弁護士や行政書士)に相談しながら作成を進めましょう。

遺書には2種類あり、作成方法や法的効力が異なります。

自筆証書遺言

自筆証書遺言は、遺言者が自分で全文を手書きし、署名と日付を記入することで作成される遺言書です。
条件としては、全文手書きであることや、署名と日付を明記していることがあります。パソコンなどで書いたものは認められないので注意が必要です。

作成した自筆証書遺言は、安全な場所に保管し、信頼できる人に保管場所を伝えておくと良いでしょう。
また、必要に応じて弁護士や行政書士に確認してもらいましょう。

公正証書遺言

公正証書遺言は、公証人が遺言者の意思を確認し、公証役場で作成する法的に最も確実な遺言書の形式です。
公正証書遺言には主に以下のような特徴があります。

公証人の関与 遺言者が公証役場に出向き、公証人に遺言内容を口述します。
公証人がそれを文書にまとめ、遺言者と証人2名が確認・署名します。
証人の必要性 遺言書作成には、信頼できる証人2名が立ち会う必要があります。
これにより、内容の正確性と遺言者の意思が確認されます。
法的効力の強さ 公証人が作成するため、形式不備による無効のリスクがなく、法的効力が確実に担保されます。

公正証書遺言は、法的に最も確実な遺言書の形式であり、相続トラブルを防ぐために有効です。
作成費用は2〜5万円程度が相場となります。

公証役場へ出向くなど手間はかかりますが、遺言内容の確実性や安全性を重視する場合には最適な選択肢です。

 

最晩年・死後の後見人を決めておく

単身で生活している方や、親しい家族がいない方は特に、自分の死後や認知症で判断能力が低下した場合に備えて「後見人」を決めておきましょう。

後見人には、家族や親友、専門家(弁護士や司法書士)を選ぶことができます。

信頼できる人を後見人に指定し、任意後見契約や死後事務委任契約を結ぶことで、財産管理や介護、葬儀の手配、遺産整理などを確実に行ってもらえます。

民事信託(家族信託)の利用も検討

後見人を決める際には、民事信託(家族信託)の利用をおすすめします。

民事信託とは、信頼できる親族等(=受託者)に財産管理を託すことができる制度で、親族だけでなく、友人・知人などの第三者とも民事信託契約を結ぶことができます。

この制度を利用することで、認知症などで判断能力が低下した場合の資産凍結リスクを防ぎ、受託者が財産を適切に管理することができます。

民事信託(家族信託)の活用例

背景
  • 不動産所有のAさんが認知症の初期症状が出たため、将来的な管理に不安を感じている
  • Aさんには息子がいる
民事信託(家族信託)の利用例
  • Aさんは息子を受託者として信託契約を結ぶ。この契約で、自宅の不動産を信託財産とする
  • Aさんの自宅不動産は息子が管理することになる
管理の流れ
  • Aさんの生活が続く場合、息子はAさんの意向に従い、家の維持管理(修繕、税金の支払い等)を行う
  • Aさんの判断能力が低下した場合、息子は引き続き家の維持管理を行い、必要に応じて家を賃貸に出し、その収益をAさんの生活費として使用する
  • Aさんが施設に入所した場合、息子は家を売却し、その売却代金をAさんの入所費用や医療費として使用する

家族信託は、相続対策や介護費用の確保、資産の有効活用に役立つことから利用者が増えています。家族信託を専門に扱う企業もあるので、相談しながら契約を進めると良いでしょう。

 

葬儀の準備

葬式 通夜

不測の事態に備え、葬儀の準備を進めておきましょう。

葬儀費用は規模や戒名のランクに応じて高額になるため、葬儀保険や積立を利用することで、残された家族が安心して葬儀を進めることができます。

以下の項目に沿って準備を進めましょう。

葬儀の形式を決める 宗教儀式、無宗教式、家族葬、直葬などの希望を明確にする
葬儀社の選定 信頼できる葬儀社を選び、見積もりを取得して契約内容を確認する
予算の設定・確保 葬儀にかかる費用を見積もり、予算を設定する。葬儀保険や積立を検討する
葬儀の詳細の決定 参列者のリスト、式場、祭壇の飾り、音楽、供花などの詳細を決める
家族に希望を伝達える 家族に希望を伝え、エンディングノートや葬儀指示書に記載しておく

近年では、家族のみが参列する家族葬や、告別式のみを行う一日葬など、葬儀の形も多様化しています。
これらは一般の葬儀より低予算で行えるので、ご家族に経済的負担をかけたくない場合におすすめです。

 

遺影の準備

葬儀準備の中でも特に時間がかかるのが、遺影の選定です。

ご自身であらかじめ遺影用の写真を準備しておくことで、家族がスムーズに葬儀の準備を進めることができるほか、ご自身の希望の写真を遺影にすることができます。

ちょうど良い写真が見つからない場合は、プロの写真スタジオで遺影用の写真を撮影するのも良いでしょう。

以下の手順に沿って写真を準備しましょう。

遺影用の写真を選ぶ 遺影に使いたい写真、家族が選びやすい写真を数枚選ぶ
(紙の写真の場合)データ化する 紙の写真はスキャンして画像データとして保管する
写真を共有する 写真データを葬儀会社や家族に共有しておく。保存場所をエンディングノートに記載しておく

 

お墓の準備

終活 お墓 墓地

お墓の準備は終活の中でも特に高額な出費になるため、生前に必要な額を確認しておきましょう。
購入資金を準備しておくことで、家族が安心して故人を見送ることができます。

以下の項目に沿って準備を進めましょう。

墓地の選定 公営墓地、民営墓地、寺院墓地、納骨堂、樹木葬、海洋散骨など、希望する供養の形に合った場所を選ぶ
予算の設定 墓地の購入費用や管理費用を見積もり、予算を設定する。契約内容を確認し、長期的な費用も考慮する
墓石のデザイン 墓石のデザインや刻む文字、宗教的なシンボルなどを決める
契約手続き 希望する墓地や納骨堂と契約し、必要な手続きを行う
家族に希望を伝える お墓の場所や契約内容を家族に伝え、エンディングノートに記載しておく

お墓には遺族・子孫による永続的な管理が必要です。
者独身の方や、遺族に維持管理の負担をかけたくない方は、家族の代わりにお寺や霊園が供養を行う「永代供養」がおすすめです。

永代供養には、永代供養墓、納骨堂、合祀墓の他、墓石の代わりに樹木を墓標とする樹木葬など様々な形があります。

自分の死後、遺体を引き取る親族がいない場合は、自治体が遺体を引き取り、無縁仏という形で合葬型のお墓に入ります。

 

晩年の住まい選び・転居の準備

介護施設 老人ホーム

「晩年をどこで過ごすか」は、充実した人生をまっとうするために重要な問題です。

住み慣れた自宅に最晩年まで暮らせることが理想ですが、介護の必要が出てきた場合、家族への負担が増えるリスクもあります。

自宅に住み続けられない可能性がある場合は、介護施設への入居を検討し、必要な資金を準備しましょう。

介護施設を選定する際は、施設の見学や費用、サービス内容を確認し、自分の希望に合った施設を選ぶことが大切です。

 

不用品の整理・処分

断捨離 片付け

死後、遺族の身体的・精神的負担となるのが「遺品整理」です。
ご自身で動けるうちに不用品の整理・処分を行い、遺族の負担を軽減しましょう。

身体が動かなくなってからでは自分で処分することもできず、最悪の場合、部屋の掃除もままらない状態で孤独死を迎えるリスクがあります。

不要な物はできるだけ売却しましょう。
利益の分だけ終活資金を節約することができます。

自分と家族だけで片付けが難しい場合は、不用品回収業者への依頼を検討しましょう。
買取サービスを行っている業者に依頼すれば、不用品の処分と売却を同時に行うことができます。

部屋を片付けることで、老後の生活を心身ともに快適に過ごすことができます。

 

緊急時・孤独死の対策

家族と離れて暮らしている場合、定期的に連絡を取っていても、孤独死になるリスクは十分にあります。

万が一の事態に備えて、緊急通報装置を設置することで、急病や事故が発生した際にすぐに助けを呼ぶことができます。
近年では、定期的に安否確認を行う「見守りサービス」を利用する方も増えています。

孤独死を防ぐためには、家族以外の友人や近隣住民の方と日頃から親しい関係を築くことも大切です。
必要に応じて、自治体や福祉サービスが行う見守りネットワークへの参加も検討しましょう。

 

老後にやりたいことをまとめる

家族 老夫婦

充実したセカンドライフを送るためには、老後にやりたいこと・目標を具体的に計画することも大事です。

終活とは単に死ぬ準備をする作業ではなく、充実した晩年を過ごすために行う活動です。

趣味や旅行、学びたいこと、社会貢献活動など、自分がやりたいことをリストアップすることで、老後の生活に目的・楽しみ・生きがいを持つことができます。

何事も身体が健康なうちに行動することが肝心です。
やりたいことを達成するために必要な費用や時間を考慮し、時には家族の協力も得ながら、具体的なプランを立て実行しましょう。

 

終活を進めるコツ・注意点

常に最新情報に更新しておく

終活に関する法律や制度は、時折変更されることがあります。
そのため、一度計画を立てた後も、定期的に最新情報を確認し、必要に応じて計画を更新することが大切です。

特に、相続税の控除や遺言書の法的要件などは、最新の情報に基づいて対応する必要があります。

信頼できる情報源から情報を収集し、専門家に確認することで、計画が常に最新の状況に対応できるようにしておきましょう。
これにより、終活をスムーズかつ安心して進めることができます。

 

困ったら専門家に相談する

生前整理 相談 弁護士

終活を進める過程で疑問や困難に直面した場合は、迷わず専門家に相談することをおすすめします。

遺言書の作成や相続税の対策、不動産の処分など、法律や税金に関する事項は特に専門知識が必要です。
弁護士、税理士、ファイナンシャルプランナー、終活カウンセラーなどの専門家は、個々の事情に応じた適切なアドバイスを提供してくれます。

早めに相談することで、問題を未然に防ぎ、安心して終活を進めることができます。

 

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