どんど焼きとは?意味と由来、開催時期について解説【燃やせる・燃やせないもの一覧つき】

どんど焼き 意味 由来 時期 宗教用語 参拝マナー

お正月飾りを片付ける時期になると、「このしめ縄や門松はどう納めればいいのだろう」と迷う方は多いのではないでしょうか。そこで昔から各地で行われてきたのが「どんど焼き」です。

結論からお伝えすると、どんど焼きとは、お正月にお迎えした年神様を、正月飾りを燃やした煙とともにお見送りする小正月の火祭りです。地域によっては「左義長」「とんど」「鬼火焚き」などとも呼ばれます。

本記事では、どんど焼きの意味と由来、行われる時期、地域ごとの呼び名の違いから、当日の流れ、燃やせるもの・燃やしてはいけないものまで詳しく解説します。

執筆・監修
神社のお焚き上げ編集部
郵送お焚き上げサービス「神社のお焚き上げ」(提携神社:祐徳稲荷神社)の運営を通じて得た知見と現地確認・独自調査を元に、企画・執筆・編集を行っています。

​この記事の結論
✓どんど焼きは年神様を煙とともにお見送りする神事。無病息災も願います
✓時期は1月15日の小正月が基本。近年は直前の土日開催が主流です
✓起源は平安時代の宮中行事「三毬杖(さぎちょう)」とされています
✓プラスチック・金属・ガラスは持ち込み不可。人形や写真も対象外が一般的です

どんど焼きとは?正月飾りを焚き上げて年神様をお見送りする神事

祐徳稲荷神社 お火焚き

祐徳稲荷神社のお火焚き神事

どんど焼きとは、松の内まで飾っていたしめ縄・門松・書き初めなどを神社の境内や広場に持ち寄り、一か所に積み上げて燃やす小正月の行事です。

お正月の飾りは、年神様が各家庭に降りてくるための目印とされています。役目を終えた飾りを燃やし、その煙とともに年神様に天へお帰りいただく

——これがどんど焼きの中心にある考え方です。

お盆に行う「送り火」と同じ発想だと考えると、分かりやすいかもしれません。迎えたものを、きちんとお見送りするところまでが一連の行事なのです。

 

どんど焼きに込められた3つの願い

どんど焼きとは 意味

どんど焼きの火には、古くから次のような願いが託されてきました。

・年神様のお見送り……正月飾りとともに、お迎えした神様を送り出す
・無病息災・家内安全……その火で焼いた餅を食べ、一年の健康を願う
・五穀豊穣……火の勢いや燃え方でその年の作柄を占う地域もある

「煙にあたると若返る」「火にあたると風邪をひかない」といった言い伝えも各地に残っています。

人が集まり、炎を囲んで一年の無事を願う。どんど焼きは、信仰の場であると同時に、地域の人々が顔を合わせる場でもありました。

 

お焚き上げ・左義長との違い

似た言葉に「お焚き上げ」「左義長」がありますが、意味する範囲が異なります。

呼び方 意味する範囲
どんど焼き 小正月に行う火祭りそのもの。時期・場所が限定される地域行事です
左義長(さぎちょう) どんど焼きの別称。北陸・近畿を中心に使われ、行事の内容は同じです
お焚き上げ 役目を終えたものを火で清めて納める作法全般。時期を問わず一年中行われます

つまり、どんど焼きと左義長は同じ行事の呼び名違い、お焚き上げはその上位にある広い概念と整理できます。どんど焼きは「小正月に行われるお焚き上げ」の一つ、という位置づけです。

お焚き上げ、左義長については以下の記事で詳しく解説しています。

 

どんど焼きはいつ行う?日程と地域による違い

どんど焼きが行われるのは、基本的に1月15日の「小正月(こしょうがつ)」です。

ただし近年は、参加しやすさを考えて1月15日前後の土曜日・日曜日に開催する神社や自治会が多くなっています。7日や8日に行うところもあれば、旧暦に合わせて2月に行う地域もあります。

日程が地域で割れる背景には、正月飾りを片付ける「松の内」の違いがあります。

地域 松の内 どんど焼きの時期の目安
関東・東北ほか 1月7日まで 1月8日〜15日ごろ。宮城の「どんと祭」は1月14日夜が中心
関西 1月15日まで 1月15日、またはそれ以降の週末
九州北部 1月7日まで 「鬼火焚き」として1月7日前後に行う地域が多い

*開催日は毎年変わります。ここで挙げた時期はあくまで目安ですので、実際に参加される際は、お住まいの神社や自治会の告知を必ずご確認ください。

自分の地域の開催日を調べる方法

どんど焼きは、神社が主催する場合と、自治会・子ども会などの地域団体が主催する場合があります。調べ方も主催者によって変わります。

・神社主催 → 神社の公式サイト・SNS、境内の掲示板
・自治会主催 → 回覧板、集会所の掲示、子ども会からのお知らせ
・広域の祭り → 市区町村の広報誌、観光協会のサイト

当サイトでは都道府県別にどんど焼きの開催情報をまとめています。お住まいの地域の記事もあわせてご覧ください。

 

どんど焼きの由来・歴史|平安時代の宮中行事がルーツ

どんど焼きの起源は、平安時代に宮中で行われていた「三毬杖(さぎちょう)」という行事にさかのぼるとされています。

三毬杖とは、正月の遊びに使った毬杖(ぎっちょう=球を打つ杖)を3本束ねて立て、そこに扇子や短冊、吉書(きっしょ)などを添えて焼いたもの。燃え上がる炎でその年の吉凶を占い、邪気を祓う儀式でした。

この宮中行事がやがて民間へ広まり、村境で災厄を防ぐ道祖神(どうそじん)信仰と結びついて、現在のどんど焼きの形になったと考えられています。江戸時代には、全国各地に定着していました。

どんど焼きの由来には諸説あり、地域によって伝わり方も異なります。ここでは広く知られている説をご紹介しています。

 

地域による呼び名の違い

同じ行事でありながら、どんど焼きは地域ごとに驚くほど多様な呼ばれ方をしています。

呼び名 主な地域 特徴
左義長(さぎちょう) 北陸・近畿 宮中行事の名をそのまま受け継いだ呼び方
とんど・とんど焼き 関西・中国地方 奈良・大阪などで広く使われる
どんと祭 宮城県ほか東北 1月14日の夜に行われ、裸参りを伴う神社もある
鬼火焚き(おにびたき) 九州北部 鬼=災厄を火で追い払うという意味合いが強い
ほんげんぎょう 佐賀・福岡 大きな竹の櫓を組み、破裂音で邪気を祓う
さいと焼き・道祖神祭り 神奈川・長野・山梨 道祖神信仰と強く結びついた形で伝わる

呼び名が違っても、正月飾りを焚き上げて年神様を見送り、一年の無事を願うという中心は共通しています。

名前の由来にも諸説あり、火が「どんどん」と勢いよく燃える様子から名づけられたという説や、囃し言葉の「尊(とうと)や尊や」が訛って「どんど」になったという説、火を焚くときの音や掛け声がそのまま呼び名になったという説など、いくつかの説が伝えられています。

 

どんど焼きでは何をする?当日の流れ

どんど焼きは、竹や藁で組んだ櫓(やぐら)に火を入れるところから始まります。一般的な流れを見ていきましょう。

正月飾り・縁起物を焚き上げる

参加者が持ち寄ったしめ縄・門松・破魔矢・だるまなどを櫓に納め、神職や地域の代表者が点火します。

火が回ると炎は一気に燃え上がり、竹が「パン」と大きな音を立てて割れます。この破裂音には邪気を追い払う意味があるとされ、鬼火焚きやほんげんぎょうでは、この音こそが行事の要と考えられてきました。

餅や団子を焼いて食べる

火の勢いが落ち着いたら、長い竹竿や木の枝の先に刺した餅・団子を炙ります。

この団子は「繭玉(まゆだま)」と呼ばれ、養蚕が盛んだった地域では、繭の豊作を願って米粉の団子を木の枝に飾る風習と結びつきました。どんど焼きの火で焼いた餅や団子を食べると、その一年は病気をしないと伝えられています。

「どんど焼きとは食べ物のことですか?」と尋ねられることがありますが、どんど焼きは行事の名前です。ただし一部の地域では、この団子そのものを「どんど焼き」と呼ぶこともあります。

書き初めを燃やす

年が明けて書いた書き初めも、どんど焼きで焚き上げます。

燃えた紙が炎に乗って高く舞い上がるほど、字が上達するという言い伝えは全国に広く残っており、子どもたちが自分の紙の行方を目で追うのは、どんど焼きの風物詩の一つです。

灰を持ち帰る

燃え残った灰を持ち帰り、自宅の周囲や庭に撒くと、厄除け・無病息災になるという風習もあります。

ただし、安全管理の都合から灰の持ち帰りを行っていない神社・団体も増えています。希望する場合は、当日その場で確認してください。

 

どんど焼きで燃やせるもの・燃やしてはいけないもの

燃やせるもの

一般的に受け付けられているのは、次のような「お正月に関わる紙・木・草のもの」です。

品目 持ち込み時のポイント
しめ縄・しめ飾り ビニールの包装、プラスチックの飾り、針金は必ず外します
門松・松飾り 大型のものは事前に受け入れ可否を確認しましょう
書き初め そのまま納められます
お守り・お札・破魔矢 鈴や金具、プラスチックのケースは外してから納めます
だるま・熊手 受け付けない場合もあるため要確認。金属部分は外します

 

燃やしてはいけないもの

反対に、次のものは持ち込めません。「神聖なものだから燃やしてよいはず」と考えてしまいがちですが、素材が問題になります。

持ち込めないもの 理由
ビニール・プラスチック 有害な煙やにおいが発生します。鏡餅の容器や飾りの台座が見落とされがちです
金属(針金・鈴・熊手の金具) 燃え残って灰の中に残り、後片付けの際に危険です
ガラス・陶器 高温で破裂し、破片が飛散する恐れがあります
乾電池・スプレー缶 爆発の危険があります。絶対に持ち込まないでください
人形・ぬいぐるみ 化学繊維や詰め物が燃えにくく、そもそも対象外としている神社がほとんどです
写真・アルバム 薬品を含み煙が出ます。個人情報の観点からも受付不可が一般的です
神棚・仏壇・位牌・仏具 正月飾りとは性質が異なり、どんど焼きの対象には含まれません
生もの(鏡餅・みかんなど) 飾りの食品部分は焚き上げず、いただくのが本来の形です

 

持ち込む前に必ず確認したい3つのこと

どんど焼きの受付ルールは、主催する神社・地域によって大きく異なります。当日になって持ち帰ることにならないよう、事前に次の3点を確認しておきましょう。

受付できる品目 「正月飾りのみ」「お守り・お札まで可」など、範囲は主催者によって変わります。
他の寺社で授かったものを受け付けないケースもあります。
受付の日時と場所 当日のみ受付のところ、数日前から預かってくれるところなど様々です。点火時刻の直前は混み合います。
初穂料・参加費の有無 無料のところもあれば、数百円〜千円程度の初穂料を納める形式のところもあります。

 

参加するときの服装・持ち物・マナー

どんど焼きの炎は想像以上に大きく、火の粉が舞います。安心して参加するために、次の点を押さえておきましょう。

服装は、化学繊維のダウンやフリースは火の粉で穴が開く可能性があるため、綿素材の上着が安心です。

持ち物は、軍手、飾りを分別して持ち帰るためのビニール袋などを持参すると良いでしょう。
飾りは袋から出し、燃えないものを外した状態で持参します。

当日は、必ず係の方の指示に従い、火に近づきすぎない、勝手に物を投げ入れないように注意してください。

小さなお子様と参加する場合は、風向きによって煙や火の粉が流れてくるため、必ず手をつないで見守ってください。

 

どんど焼きに関するよくある質問

どんど焼きで焼いてはいけないものは何ですか?

ビニール・プラスチック、金属、ガラス・陶器、乾電池やスプレー缶は持ち込めません。有害な煙が出たり、破裂・爆発の危険があるためです。

また、人形やぬいぐるみ、写真、神棚や仏具なども、正月飾りとは性質が異なるため対象外としている神社がほとんどです。判断に迷うものは、事前に主催者へ確認してください。

どんど焼きとはどんな食べ物ですか?

どんど焼きは食べ物ではなく、小正月に行う火祭りの名前です。ただし行事のなかで、竹竿の先に刺した餅や団子(繭玉)を炙って食べる風習があり、これを食べると一年間病気をしないと伝えられています。

一部の地域では、この団子そのものを「どんど焼き」と呼ぶこともあります。

お守りやお札もどんど焼きで燃やしていいですか?

多くの神社で受け付けています。ただし、鈴や金属飾り、プラスチックのカバーは外してから納めてください。

他の寺社で授かったものについては、受け付けない場合もあるため、持ち込む前に必ず確認しましょう。

喪中でもどんど焼きに参加していいですか?

忌明け(一般に四十九日)を過ぎていれば、参加して差し支えないとする考え方が一般的です。

ただし、地域や家のしきたりによって判断は異なります。気になる場合は、神社や地域の年長の方に相談されるとよいでしょう。

参加費や初穂料はいくらぐらいですか?

自治会が主催するどんど焼きは無料で行われることが多く、神社で行われる場合は数百円〜千円程度の初穂料を納める形式が一般的です。

金額が決められていない場合は、「お気持ち」として白封筒に入れて納めます。

どんど焼きに参加できなかった正月飾りはどうすればいいですか?

多くの神社には、古いお札やお守りを納める「古札納所(こさつのうしょ)」が一年を通して設けられています。正月飾りも受け付けている神社であれば、そこに納めることができます。

ご自宅で手放す場合はお住まいの自治体のルールに従って分別してください。手順は次の記事で詳しく解説しています。