神社で授かった御札を保管し、神様をお祀りするための神棚。
新しい神棚を設置する際や、引越しで神棚の移動をする際、どこに設置して良いかお悩みの方も多いのではないでしょうか?
本記事では、これから神棚を設置する方に向けて、正しい飾り方やお供えの仕方、お参りの仕方を詳しく解説します。
神棚のご利益を最大限得られるように、正しい祀り方を学びましょう。
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神棚を飾る位置・方角
神棚は、神様をお祀りする神聖な空間です。
そのため、神棚を飾る際は以下の点に配慮して位置と方角を決めると良いでしょう。
● 方角
神棚は東向きor南向きに設置するのが理想とされています。
これは、神棚にお祀りする天照大御神が、太陽を司る神であることに由来しています。
特に東向きは「昇る太陽」を象徴し、縁起が良い方角とされています。
● 位置
神棚は目線より高い位置に設置しましょう。
目線よりも下の位置に設置すると、神様を見下げることになってしまうので避けてください。
● 環境
神棚の周囲は常に清潔に保ちましょう。
ホコリが溜まりやすい場所や湿気が多い場所は避けるようにします。
また、神棚の前にスペースを確保し、日々のお参りがしやすいようにしましょう。
神棚はただ飾れば良いのではなく、日々感謝の気持ちをもってお参りすることが大切です。
お参りを習慣づけるためにも、神棚はリビングなどできるだけ家族全員の目につきやすい場所に飾るのがおすすめです。
また、神棚の上を歩くことは失礼にあたるため、戸建ての場合は、上階に廊下や部屋がない場所に設置しましょう。
集合住宅など上階に部屋がある場合を避けられない場合は、次項でご紹介する「雲」を神棚の上の天井に貼りましょう。
神棚の周囲に飾るもの
雲
神棚の上部(天井部分)に「雲」という文字を掲げましょう。
この「雲」という文字は、神棚の上には何もなく、空が広がっているという意味を持たせ、神様に対する敬意を示します。
この風習は、神棚を家庭内の一番高い場所に設置し、神様の上を人が歩かないようにすることから来ており、神棚をより神聖な場所とするために大切なものです。
紙や布に「雲」の文字を書き、神棚の真上の天井部分に貼りましょう。また、市販でも売っており、紙に書いたものや、木製のものがあります。
神前幕
神前幕は、神棚の前に掛ける布のことです。これは、神棚を「神聖な区域」として俗世との境界を意味する大切なものです。
神前幕は、市販されているものを購入するか、自分で作っても構いません。一般的に紫色の幕が用いられ、無地若しくは紋入りのものがあります。
神前幕を神棚の前に下げ、幕の上端を神棚の上部に糸等でしっかりと固定し、神棚全体を覆うように設置しましょう。
神前幕を掛けることで、神棚が家庭内で一層神聖な場所となります。
しめなわ(注連縄)
しめなわ(注連縄)は、神棚の前や神域の入口に張る縄のことです。これは、神聖な領域を示すためのもので、古来より伝えられてきた風習です。また、神様をお迎えする場所を清浄に保ち、悪霊や邪気を寄せ付けないためにも重要です。
しめなわ(注連縄)は市販されていますが、稲わらや麻を使って自作することもできます。
神棚の前や入口あたりにしめなわ(注連縄)をしっかりと固定し、垂れ下がるように設置することで、神聖な区域を明確にしましょう。
御札の並べ方
神棚に納める御札は3種類あります。
神宮大麻(じんぐうたいま) | 全国に頒布される神宮の御札のこと |
氏神様(うじがみさま) | 家の守護神など地域の神社でいただいた御札のこと |
崇敬神社(すうけいじんじゃ) | 神宮大麻と氏神様以外の信仰する神様の御札のこと |
以上の3種類の御札は、神棚の造りによって並べ方が異なります。
三社造りの神棚の場合
- 中央:神宮大麻の御札
- 向かって右:氏神様の御札
- 向かって左: 崇敬神社の御札
一社造りの神棚の場合
- 一番手前:神宮大麻の御札
- 二番目:氏神様 の御札
- 三番目:崇敬神社の御札
他にも御札がある場合は、さらに後ろに重ねましょう。
御札は、一年に一度、年末年始に神社へ参拝し、新しい御札をいただいた際に交換します。
古い御札は感謝の気持ちを込めて神社へ納め、新しい御札をお祀りしましょう。
神鏡の祀り方
神鏡(しんきょう)は、神様の存在を象徴するもので、鏡に神様の御霊が宿るとされています。
また、神鏡を通して、神様に自分自身を見つめ直し、真心をみていただくという意味もあります。
神鏡は、市販されているものを購入することが一般的です。
ガラスの鏡に木製の土台がついているものが多く、神棚のサイズに合わせて適切な大きさのものを選びます。
また、神鏡の背面は布や紙で覆うことが多く、清浄な状態を保つようにします。
神鏡は、神棚の正面に配置します。
御札と並べる場合は、神鏡を中心に置き、そのすぐ後ろに御札を配置するのが一般的です。
神鏡は、神棚の台座や専用のスタンドを使用してしっかりと固定し、安定させるとより良いでしょう。
また、神鏡は定期的に柔らかい布で優しく拭くことで汚れや埃を取り除き、清潔な状態を保つようにしてください。
神具の並べ方
神具(しんぐ)とは、神棚の前にお供えするものを置くための道具のことです。
神具の種類と配置場所を詳しく解説していきます。
神具の種類と配置場所
三宝(さんぽう)/八足台(はっそくだい) | お供え(神饌)を乗せる台のことで、神鏡の前、神棚の中央に置きます。 |
水器(すいき)又は水玉(みずたま) | お水をお供えする道具で、三宝の上の中央に置きます。 |
瓶子(へいじ) | お神酒をお供えする道具で、三宝の上の左右奥に対で置きます。 |
高月(たかつき)/皿(かわらけ) | 菓子や果物など食べ物をお供えする道具で、三宝の上の瓶子の前に対で置きます。 |
かがり火立 | 神前に明かりを灯すためのもので、三宝の横に一対置きます。 |
真榊(まさかき) | 神様の領域を表すもので、かがり火の横に一対置きます。 |
榊立て(さかきたて) | お供えする榊を入れるためのもので、真榊の横に一対置きます。 |
神具の配置場所は、神棚の祀り方において重要な役割を果たすため、正しく配置することが大切です。
お供え(神饌)の並べ方
神饌(しんせん)は、神様へのお供え物のことで、神饌物(しんせんぶつ・しんせんもの)または御饌(みけ)ともいい、いずれも神様のお食事を意味するものです。
お米、お塩、お水が一般的ですが、お正月の鏡餅や季節に合わせた野菜や果物などをお供えしても良いとされています。
お米、お塩、お水は、三宝上の神具に入れて並べますが、神饌の種類や並べる順序にはさまざまな決まりがあり、神棚のサイズなどによって置き方が変わります。
三宝の上に横一列で並べる場合、神棚に向かって左から「お水・お酒・お米・お酒・お塩」の順で並べましょう。
また、三宝の上に二列で並べる場合は、奥の列に神棚に向かって左から「お酒・お米・お酒」手前の列に神棚に向かって左から「お水・お塩」の順で並べます。
三宝(方)の向き
三宝とは、お供え(神饌)を乗せる台のことです。
三宝は、折敷(おしき)というお盆の下に筒のような台がついた形をしています。
その筒のような台の側面の三方向に、宝珠の形の穴があいていることから三宝とよばれています。
三宝を置く際は、折敷の継ぎ目がない方・筒のような台の部分に宝珠の形の穴がない方を神棚に向けて置くようにしましょう。
懐紙の折り方
三宝の上にお供え(神饌)を入れる神具を置くと説明しましたが、それらの神具を置く前に、懐紙を敷く必要があります。つまり、お供えものを入れる神具と三宝との間に懐紙となります。
この懐紙は「中折れ紙」ともよばれ、半紙や奉書紙を利用するのが一般的です。
自宅にない場合は、コピー用紙など白い紙であれば問題ないとされています。
神棚に用いる懐紙は、半分から手前側を上に折り曲げ、右側が上となるように折ります。
平行な面を神棚側に向けて三宝の上にしきます。
お供え(神饌)の種類と交換頻度・タイミング
お供えは、自分たちの食事より先に神様へ召し上がっていただくという意味から、朝にお供えし、夕方に下げるのが一般的です。
お神酒
御神酒(おみき)は瓶子(へいじ)や徳利(とっくり)とよばれる神具に入れ、神棚の前に左右対(2個)で置きます。
お米、お水と同様に、毎日お供えするのが理想ですが難しい場合は毎月1日・15日に取り替えるようにしてください。
お米からできた日本酒は、神道において「聖なる食物」とされており、神様にお供えしたお酒には霊力が宿ると考えられてきました。
そのため、お供えした後のお酒は飲んでも良いですし、お清めとして玄関などに撒いても良いとされています。
瓶子の蓋は蓋を閉めたままでも問題はありませんが、「蓋を開けていないと神様が飲めない」という考えもあるため、長時間開けておきたくない場合は、お参りの際に開けて、お参りを終えたタイミングで蓋をするのがおすすめです。
お米
神具の皿には、お米を入れます。お米は、神様からの授かりものであるとされるため、お供え物の中でも、とても重要なお供え物です。毎日お供えしましょう。
お供えするお米は、生米や洗米がよいとされていますが、炊いたお米でも問題ありません。
炊いたお米の場合は、神様は湯気を召し上がるので10分ほどで下げてもよいという説もあります。
また、赤飯や炊き込みご飯でも問題ありませんが、お肉など動物性のものが入っていないように注意をしてください。
下げたお米は、料理に使うなどしていただいても構いません。
神人共食(きょうじんしょく)や直会(なおらい)といい、神様と同じものを食べてパワーをわけていただくという考えからきています。
お塩
お塩もお米同様、毎日お供えしましょう。
塩には、お清めの意味があります。
例えば、玄関・水回りにも盛り塩を置くことがありますよね。これは、商売繁盛や運気上昇・厄除けなどの意味が込められています。
お塩は、精製されていないあら塩を盛り塩にします。円錐状または八角錐状に高く盛り上げ、皿に盛れば完成です。
お供えをした後のお塩は、玄関先に撒いたり、水回りの盛り塩にしたりと、お清めに使っても良いとされています。
お水
お水は、水器(水玉)という神具に入れて、毎日お供えするのが一般的です。
お供えするお水は、毎朝、一番最初に汲んだ水を用意します。
一番最初に汲んだ水が難しい場合は、ミネラルウォーターや水道水でも問題ないとされています。
また、水器(水玉)には蓋が付いているので、神様がいただけるよう蓋を開けておくか、少しずらしてお供えしましょう。
榊(さかき)
榊(さかき)は、神具の榊立てに入れて、神棚の左右に対になるようにお供えします。お供えする榊は、新鮮なみずみずしいものを選ぶとよりよいでしょう。
榊の交換頻度は毎月1日と15日が一般的です。これは、神社で神事が執り行われる日に合わせて新しくお供えするとしていますが、枯れてきたら、枯れる前に新しい榊に都度取り替える必要があります。また、すぐに枯れてしまわないように榊立ての中の水は毎日取り替えることをおすすめします。
火
お参りする前には、三宝の横に一対置かれているかがり火立に火を灯しましょう。お参り後には、火を消すことを忘れないよう注意をしてください。
一般的には、ローソクに火をつけるものですが、電池タイプやLEDタイプもあります。火の消し忘れによる火事を防ぐためにも安全な電池タイプやLEDタイプを使用する方も増えています。
また、かがり火のほかに灯篭(とうろう)もありますが、暗闇を明るくすることで心も明るくするという同じ意味を持つものです。
真榊(まさかき)
真榊(まさかき)は、五色(緑・黄・赤・白・青)ののぼりの先端に榊を立て、三種の神器(剣・鏡・勾玉)を模した飾りが付いているものです。
対になっておりかがり火の横に置きますが、向かって左側に剣をかけたもの、右側に鏡と勾玉をかけたものを立てます。左右を間違えないように気をつけましょう。
神棚のお参り方法
神棚のお参りの方法は、神社でお参りする場合と同様に「二礼二拍手一礼」が基本です。
- 手と口を水で清める
- 神棚に向かい軽く頭を下げ一礼する
- 深くお辞儀を2回行う(二礼)
- 両手を胸の高さで合わせ、2回拍手をする(二拍手)
- 最後にもう一度深くお辞儀を1回行う(一礼)
- (お参りが終わった)軽く一礼をして神棚の前を退く
この基本的な作法を守ることで、日常生活における心の平穏と感謝の気持ちを養うことができます。
さらに、丹念にお参りしたい場合やお願いごとがある場合は、二礼してから祝詞奏上したりお願いごとを祈念し、改めて「二礼二拍手一礼」するという方法もあります。
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