実家の大掃除やお店の片付け、遺品整理等で出てきた招き猫。
役目を終えた招き猫を手放したいと思っても、福を招いてくれた縁起物だけに、ゴミとして捨ててよいものか迷ってしまう方は多いのではないでしょうか?
結論からお伝えすると、招き猫は家庭ゴミとしてご自宅で処分しても差し支えありません。
バチが当たるようなこともありません。
本記事では、招き猫の処分方法3つを比較しながら、自宅でできるお清めの手順、素材別の分別、割れてしまったときの意味、神社・お寺で供養してもらう際の注意点まで詳しく解説します。
この記事の結論招き猫の主な処分方法
まず、招き猫を手放す方法は主に以下の3つです。
費用・時期・向いている方を一覧で比較しました。
| 処分方法 | 費用 | 時期 | こんな方におすすめ |
|---|---|---|---|
| 家庭ごみ | 無料 | 通年 | お店や贈り物で手に入れた招き猫(ほとんどの招き猫)/手軽に手放したい方 |
| 神社・お寺で供養する | 無料〜数千円 | ほぼ通年(要確認) | ゴミに出すのに抵抗がある方/お店で長年飾ってきた方/大型・複数ある方 |
| 譲渡・売却・寄付する | 無料〜収入 | 通年 | 常滑焼・九谷焼など作家物や未使用の美品をお持ちの方 |
遺品整理や実家の片付けで置物が大量にある場合は、不用品回収業者や遺品整理業者にまとめて依頼する選択肢もあります。
供養まで含めて対応してくれる業者もありますので、他の不用品と一緒に手放したい場合の選択肢として覚えておくとよいでしょう。
迷った場合は、次の判断基準を参考にしてください。
・ゴミに出すのに抵抗がある/お店で長年飾ってきた/大型・大量にある → 神社・お寺で供養
・作家物・有名窯元・未使用の美品 → 譲渡・売却
まずは、多くの方が気にされる「ゴミに出してよいのか」という点から解説します。
招き猫はゴミとして捨ててもいい?

招き猫は、ご自宅でゴミとして処分しても差し支えありません。
招き猫は、神様そのものをお祀りしているものではなく、商売繁盛や金運を願って飾る「縁起を担ぐための飾り」です。
だるまや熊手のように神社・お寺で授かるものとは違い、招き猫の大半はお土産店や雑貨店、開店祝いの贈り物として手に入れたものです。
ゴミとして処分することを禁じるような宗教上の決まりはありません。
とはいえ、お店の入口やレジ横で長年お客さまを迎えてきた招き猫を、他のゴミと一緒に無造作に捨ててしまうことには、抵抗を覚える方も多いでしょう。
大切なのは形式そのものよりも、これまで家やお店を見守ってくれたことへの感謝を示すことです。
むしろ、役目を終えた招き猫をホコリを被ったまま何年も棚の奥に置きっぱなしにしておくほうが、招き猫にとっては望ましくない状態と言えるでしょう。
招き猫は何ゴミ?素材・パーツごとに分別を
招き猫は陶器・磁器製のものが最も多く、基本的には不燃ごみ(燃えないごみ)として扱われます。張り子や木製のものであれば可燃ごみです。
ただし、招き猫には小判・前掛け・鈴・座布団などの付属品が付いていたり、電池で手を振る電動タイプがあったりと、素材やパーツによって分別が異なります。
切り離せるものは外し、お住まいの自治体のルールに従って分別してください。
| 素材・パーツ | 分別区分 | 補足 |
|---|---|---|
| 陶器・磁器(常滑焼・瀬戸焼・九谷焼など) | 不燃ごみ | 新聞紙で包み「キケン」「割れ物」と表示します。自治体によっては「陶器・ガラス類」の区分 |
| 張り子・紙製 | 可燃ごみ | 底に重り(石・砂)が入っている場合は取り出して分別します |
| 木彫り・木製 | 可燃ごみ | 一辺30cmを超えるものは粗大ごみ扱いになる自治体があります |
| 布・ぬいぐるみ型 | 可燃ごみ | プラスチックの目や鈴は外して分別します |
| プラスチック・樹脂製 | 可燃ごみ・プラごみ | 自治体によって区分が異なります |
| 電動・ソーラー式(手を振るタイプ) | 不燃ごみ・小型家電 | 電池を必ず抜き、電池は自治体の回収へ。本体は不燃ごみか小型家電回収に出します |
| ガラス・クリスタル | 不燃ごみ | 資源ごみの「びん」には出せません |
| 金属(真鍮・鉄など) | 不燃ごみ・金属ごみ | 重量のあるものは粗大ごみ扱いになることがあります |
| 小判・前掛け・鈴・座布団などの付属品 | 素材ごとに分別 | 布・紙は可燃ごみ、金属・プラスチックは不燃ごみ。本体と分けて出します |
| 大型の招き猫(店頭用・30cm超) | 粗大ごみ | 数百円〜千円台が目安。指定袋に入らない場合は自治体に申し込みます |
複数の招き猫をまとめて処分する場合は、一体ずつ包まなくても、まとめて包んで出して構いません。
分別区分は自治体によって異なりますので、処分前にお住まいの地域のごみ分別辞典を確認しておくと安心です。
割れた招き猫は不吉?意味と対処法
招き猫は陶器製が多いため、掃除や模様替えの際に落として割ってしまうことがあります。
縁起物だけに「割れてしまった=縁起が悪いのでは」と不安になる方も多いのですが、割れた招き猫は不吉なものではありません。
古くから、縁起物が割れたり欠けたりしたときは「身代わりになって厄を受けてくれた」と受け止める考え方があります。
悪いことの前兆ではなく、むしろこれまで守ってくれた証と考え、感謝を伝えて手放しましょう。
挙げている手の先が欠けてしまった場合も同様です。
右手は金運、左手は人(お客さま)を招くとされていますが、欠けたからといって福が逃げるわけではありません。
割れた招き猫を手放す際は、ケガをしないよう破片を新聞紙などで包み、袋に「キケン」「割れ物」と表示して不燃ごみに出します。お清めの手順は後述します。
思い入れのある招き猫であれば、金継ぎなどで直して飾り続けても構いません。
欠けた部分をそのままに「厄を受けてくれた姿」として飾り続ける方もいらっしゃいます。
自宅で清めて捨てる方法(より丁寧に捨てたい方向け)
招き猫をゴミとして捨てるのに抵抗がある方向けに、ご自宅でできるお清め方法をご紹介します。
用意するのは「白い紙」と「粗塩」の2つだけです。白い紙は半紙が理想ですが、なければ白い便箋やコピー用紙でも構いません。
大きな招き猫は、新聞紙の上に半紙を重ねて包むと丁寧です。塩も粗塩が望ましいものの、ご家庭にある食卓塩で問題ありません。


家庭ゴミ以外の招き猫の処分方法2つ
神社やお寺で供養・お焚き上げしてもらう(最も丁寧)
ゴミとして出すことにどうしても抵抗がある場合は、神社・お寺で供養していただき、お焚き上げしてもらうという方法があります。
お焚き上げとは、役目を終えたものを火によって天にお還しする儀式のことです。納められた招き猫は、神職・僧侶によるご祈祷・ご供養が行われたうえで、お焚き上げされます。
ただし、ここで注意したいのが、招き猫は「授与品」ではないという点です。
神社・お寺の境内にある納札所(古神札納め所)は、本来その寺社で授かったお守り・御札を納める場所です。
そのため、お店や贈り物で手に入れた招き猫については、「当社で授与したもののみ」「陶器・金属製は不可」として受け付けていない寺社が少なくありません。
1月のどんど焼き(左義長)も可燃物のみが対象のため、陶器製の招き猫は対象外となる場合がほとんどです。
一方、人形供養やもの供養を行っている寺社であれば、招き猫のような置物も受け付けてもらえることが多くあります。
持ち込む前に、電話や公式サイトで受付の可否・素材の条件を確認しておきましょう。
費用は「お気持ち」とされることが多いですが、サイズや数に応じて数千円程度の供養料が定められている場合もあります。
近くに依頼できる神社・お寺がない場合は、可燃/不燃にかかわらず郵送供養を全国から受け付けている「神社のお焚き上げ」サービスの利用を検討してみてください。
合同供養1回 1,980円〜
家からお品を送るだけ
料金・手順はこちら
神社・お寺で授かった招き猫を手放す場合
東京・世田谷の豪徳寺(招福猫児)や、浅草の今戸神社、大阪の住吉大社(初辰まいりの招福猫)など、ごく一部の寺社では招き猫を授与しています。
こうした寺社で授かった招き猫は、授かった寺社に返納・奉納できる場合があります。
ただし、受付の有無や方法は寺社ごとに異なりますので、持ち込む前に必ず公式サイトや電話で確認してください。
譲渡・売却・寄付する(再利用したい場合)
状態のよい招き猫であれば、再利用するという選択肢もあります。
常滑焼・瀬戸焼・九谷焼など有名産地の招き猫や、作家の銘が入ったもの、昭和レトロな古い招き猫は、骨董店やリサイクルショップ、フリマアプリで引き取り手が見つかることがあります。
底面に銘・窯印がないか、箱書きが残っていないかを確認してみましょう。
未使用の招き猫や美品であれば、寄付団体で受け付けている場合もあります。
「福を人に譲ってよいのか」と気にされる方もいらっしゃいますが、ご自身が納得できていれば問題ありません。
次に大切にしてくれる人に渡るという意味で、気持ちよく手放しやすい方法です。
招き猫を処分するタイミング・寿命はある?
招き猫には、お守りのように「1年で新しいものに替える」という明確な決まりや、いわゆる「寿命」はありません。
何年飾り続けても問題はなく、ご自身の気持ちに区切りがついたときが手放すタイミングです。とはいえ、一般的に手放す機会となりやすいタイミングはいくつかあります。
| タイミング | 処分の目安・ポイント |
|---|---|
| 願いが叶ったとき | 開店時の願いが成就した、商売が軌道に乗ったなど、一区切りついたときに感謝して手放します |
| 割れた・欠けた・色あせたとき | 「厄を身代わりに受けてくれた」と考え、感謝して手放します。店頭の招き猫は紫外線で色あせやすく、退色も交換の目安です |
| 新しい招き猫に買い替えるとき | 古いものを先に手放してから新しいものを迎えるのが丁寧な順序。お店に飾る場合は年末・年度末に新調する習わしもあります |
| 閉店・引越し・実家の片付け・遺品整理 | 家族に一言確認してから。大型・大量なら寺社での供養や業者への依頼も検討します |
| 年末・お正月 | 一年の区切りとして、正月飾りと一緒に手放す方が多い時期です |
「気づいたら何十年も飾ったままだった」というケースもよくありますが、長く飾っていたことで悪いことが起きるわけではありません。気づいたときに手放せば十分です。
招き猫を処分せず、飾り続けてもいい?
「処分したくない」「思い入れがある」という方もいらっしゃるでしょう。
結論として、招き猫を何年飾り続けても問題はありません。
招き猫は福を招くための縁起物です。大切に扱い続けているのであれば、何年飾っていても失礼にはあたりません。
ただし、ホコリを被ったまま放置している状態は望ましくないとされています。
飾り続ける場合は、定期的にホコリを払い、直射日光や湿気を避けた場所に置きましょう。
新しい招き猫を迎えたあとも、古い招き猫を一緒に並べて飾って構いません。
欠けた招き猫を金継ぎで直して飾り続ける、写真に撮ってから手放すといった選択もあります。
招き猫を処分するときの注意点
家族・贈り主に一言確認する
実家の片付けや遺品整理では、故人やご家族が大切にしてきた置物がまとめて出てくることがあります。
「なんとなく飾ってあるだけ」と思っていたものが、実は思い出の品だったというケースは少なくありません。処分する前に、家族に一言確認しておきましょう。
招き猫は開店祝いや新築祝いの贈り物として受け取ることも多い縁起物です。
贈ってくれた方に返す必要はありませんが、頻繁に家やお店を訪れる方からの贈り物であれば、「役目を終えたので供養しました」と伝えておくと角が立ちません。
骨董・作家物の価値がないか調べる
古い常滑焼の招き猫や、有名窯元・作家の銘が入った招き猫、明治・大正期の古い招き猫などは、思わぬ価値がつくことがあります。
底面に銘や窯印がないか、箱書きが残っていないかを確認し、気になる場合はリサイクルショップや骨董店で査定を受けてみましょう。写真を送るだけで査定してもらえるサービスもあります。
招き猫の処分に関するよくある質問
お店の招き猫は何年で交換すべきですか?
明確な決まりはありません。
ただし、店頭に置いた招き猫は紫外線や手垢で色あせ・汚れが進みやすいため、年末年始や開店記念日など、決まったタイミングで新調するお店が多いようです。色あせや欠けが目立ってきたら、交換の目安と考えてください。
招き猫の貯金箱はどう処分しますか?
中のお金を取り出してから、通常の招き猫と同じ方法で処分します。
陶器製の貯金箱は取り出し口がないものも多く、割って取り出すことになります。その場合は新聞紙で包んで作業し、破片は「キケン」「割れ物」と表示して不燃ごみに出しましょう。割ることに抵抗がある場合は、そのまま寺社やお焚き上げサービスで供養してもらう方法もあります。
風水的に招き猫を捨てると運気が下がりますか?
下がりません。
風水では、古くなったものや壊れたものを置き続けるほうが気の流れを滞らせるとされています。役目を終えた招き猫を感謝して手放し、必要であれば新しい招き猫を迎えることは、むしろ運気を整える行いと考えられます。
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