印鑑の正しい捨て方・分別方法|処分前にやるべきこと・手続きと注意点を詳しく解説

印鑑 捨て方 分別 処分前にやるべきこと 手続き 銀行印 会社印 代表印 認印 実印 処分 片付け

銀行口座の開設や不動産の売買、各種契約など、日常の様々な場面で使用される印鑑。

印鑑が欠けてしまったり、新しい印鑑に作り変えた時、どのように印鑑を処分すべきかお困りの方も多いのではないでしょうか?

本記事では、印鑑の処分を検討中の方に向けて、正しい処分方法と、処分前にやるべきこと・注意点をわかりやすく解説します。

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印鑑はゴミとして捨てて良い?種類別の処分方法

印鑑はゴミとして捨てることができますが、種類によっては個人情報漏洩や悪用のリスクがあるため、取り扱いには注意が必要です。

種類別に処分方法と注意点をまとめました。

印鑑の種類 ゴミとして捨てて良いか 悪用リスク 処分前にやること 注意点
認印(シャチハタ含む) 印影を破壊する プラスチック製は可燃として扱う自治体もあるが確認が必要
銀行印
推奨されない
・銀行で印鑑の廃止、変更手続きを行う
・印影を破壊
印影が残る状態で廃棄しない
実印
推奨されない
・市区町村で印鑑登録の廃止手続きを行う
・印影を破壊
登録廃止前に捨てない
会社印(代表印・社印)
推奨されない
・会社で廃棄記録を残す
・印影を破壊
会社法務の証明に使うため、適当な処分は厳禁
角印(会社用) ・事前に内部稟議・破棄記録
・印影を破壊
承認印として悪用可能なため破壊は必須
ゴム印(住所印・社名印など) 低〜中 ・ゴム部分を切る、刻印を傷つける 住所・社名など個人情報の塊なのでそのまま捨てない
旧姓の印鑑 ・使用登録の解除(銀行印の場合)
・印影を破壊
旧姓でも悪用の可能性はゼロではない
故人の印鑑
供養を選ぶ人が多い
中〜高 ・相続手続きに使う可能性がないか確認
・印影を破壊
・相続関係の契約に関連する恐れがある
・処分前に家族で共有し、トラブルを防止

 

【素材別】印鑑の分別方法

印鑑をゴミとして処分する際は、必ずお住まいの地域の分別ルールに従ってください。

以下に主な素材と分別方法をご紹介します。

素材 分別方法 処分前にやること
合成樹脂(アクリル・プラスチック製) 可燃 or 不燃ごみ
※自治体により異なる
印面を削る
→丈夫な樹脂は割れにくいので切断用工具が必要なことも
金属印鑑(ステンレス・真鍮など) 不燃 or 金属ごみ
※自治体により異なる
印面を削る
→硬いため破壊にはヤスリやグラインダーが必要
木材系(柘・黒檀など) 可燃ごみ
※自治体により異なる
印面を削る
→割れにくい材質は工具が必要な場合あり
水牛の角(黒水牛・オランダ水牛など) 可燃ごみ
※自治体により異なる
印面を削る
→硬い素材なのでノコギリなどで印面を削る必要がある
象牙 可燃ごみ
※自治体により異なる
※ワシントン条約に関係なく家庭ごみとして捨てること自体は可能
→象牙は高価なため盗難・悪用に注意
印面を削る

 

印鑑を捨てる際は、悪用リスクに注意!

実印や銀行印が第三者の手に渡ると、契約書に押印されるなどの犯罪に利用され、大きな被害に発展する場合もあるため、注意が必要です。

一番心配な悪用例は、知らない間に借金の連帯保証人にされてしまい、借金を肩代わりさせられたりすることです。

実印とともに印鑑証明書が悪意のある人の手に渡った場合、勝手に自分の名義でローンを組まれたり、車や不動産の購入や売却を行われたり、深刻な被害につながる可能性があります。

個人の実印ではなく、法人の実印が悪用された場合は、法外な契約書を作られるなど、さらに大規模な被害が出る可能性があります。

 

三文判やネーム印はそのまま捨ててOK

実印や銀行印として使っていない三文判やネーム印などは、トラブルに巻き込まれる心配がないため、そのままゴミとして処分しても問題はありません。

過去に銀行印として使っていた可能性がある場合は、印面を削ったり接着剤などで塞いだり、また紙などにくるんで外から見えないようにしてから捨てるとより安心です。

 

象牙など高価な印鑑→掘り直して再利用も可能

柘や黒檀、象牙や水牛の角などの高価な印鑑や家族の形見の印鑑、代々受け継がれてきた印鑑を捨ててしまうのがもったいない場合は、彫り直しがおすすめです。

印鑑本体にヒビが入っていなければ、印章屋さんに依頼すれば彫り直して再利用することができるので、新しい印鑑が必要になるまで自宅で保管しておくと良いでしょう。

 

印鑑を捨てる前に|悪用を防ぐ処分方法

印面を削る

印鑑をゴミとして捨てる場合は、カッターやはさみ、彫刻刀、やすりなどで印面を数箇所削り、印面が判別できない状態にしてから捨てましょう。

元の印鑑と異なる印影になるよう、名前や模様が完全になくなるまで削ることが重要です。

 

接着剤で印面を覆う

印鑑に使用されている印材によっては硬くて削ることが難しい印鑑もあります。
その場合は、アロンアルファなど強力な接着剤で印面を完全に埋めましょう。

接着剤がしっかりと乾燥・硬化するまで時間を置き、硬く固まったことを確認してから処分してください。

乾いたあとに印面から接着材が取れてしまわないように注意しましょう。

 

印章店に処分を依頼する

ご自身で陰影の破壊が困難な場合は、印章店に印鑑を持っていき、処分してもらうこともできます。

多くの場合、無料で印鑑の処分を行ってくれます。
※事前に印面をカッターなどで削って悪用を防ぐことが推奨されています

印章店によって受け付けていない場合もあるため、事前に調べておきましょう。

一部の店舗では、まとめて印鑑供養に出してもらえるところもあります。

 

印鑑を手放す前にやるべき手続き|登録廃止・変更

実印(個人)|印鑑登録の廃止・変更手続

印鑑 処分 捨て方

実印は、役所で印鑑登録されている印鑑です。

公的に認められている大切な印鑑ですので、処分前には役所で印鑑登録の廃止手続きをしなければなりません。

印鑑登録の廃止手続きには以下のものが必要です。

  • 印鑑登録廃止申請書
  • 印鑑登録をした印鑑
  • 本人確認の身分証明書(運転免許証やマイナンバーカードなど)
  • 印鑑登録証

自分で役所に行けない人は、代理人を立てての手続きもできます。

代理人に手続きしてもらう際には、印鑑登録をしている本人が記入した登録の廃止(変更・登録)を希望する旨を明記した委任状が必要です。
他に代理人の認印と代理人の本人確認書が必要となります。

廃止する印鑑登録を抹消した後、新しい印鑑で改めて登録手続きを行うことで印鑑登録の変更となります。
その場合、印鑑登録をし直す新しい印鑑の持参が必要です。

 

会社印(法人)|印鑑登録の廃止・印鑑カードの廃止手続き

印鑑 処分 捨て方

法人の実印を処分する際には、法務局に印鑑及び印鑑カード廃止届書を提出し、印鑑の効力をなくす手続きが必要となります。

法人の実印は、株券の発行や代表取締役の変更、企業買収などにも利用される重要な印鑑ですので、効力をなくす手続きを慎重に行いましょう。

買い替えで古い印鑑を処分する場合には、必ず先に新しい印鑑を準備してから廃止手続きを行う必要があります。
そして古い印鑑の廃止手続きが完了した後、新しい印鑑を再登録します。

印鑑の買い替えが生じた場合は、手続きに従って処理することによって、古い実印で締結している契約も引き続き有効となります。

 

銀行印|改印手続き

銀行印を処分する時には、銀行で印鑑の変更手続きが必要です。

古い印鑑と新しい印鑑、銀行口座の通帳を持参し、銀行の窓口で手続きを行います。

間違えて古い印鑑を先に処分してしまった場合には、手続きが複雑になり、手続きに2週間程度かかり、その間口座が使えなくなることもありますので注意してください。

法人の銀行印を処分する際には、未交換の手形や小切手がないか確認してください。

未交換の手形や小切手があった場合、先に銀行印を処分してしまうと、交換できなくなり支払い義務だけが残ってしまうこととなるため、十分に注意してください。

 

故人(親・失くなった人)の印鑑を処分する場合

故人の印鑑の処分をする場合に、まず気掛かりなことは、故人の実印についてかと思います。

心配には及びません。実印の持ち主が亡くなった場合、役所に死亡届を提出すると、印鑑登録が抹消され、実印としての法的効力も消滅します。

そのため、亡くなった人の実印は処分しても問題ありません。
印鑑登録証は念のため破棄しましょう。

また、「遺産相続の際に実印が必要なのでは?」と思う方も多いかと思いますが、遺産相続は相続をする側の契約の問題となるため、亡くなった故人の実印は不要です。

 

思い入れのある印鑑は「印鑑供養」がおすすめ

お寺 菩提寺 お焚き上げ

  • 故人の印鑑を捨てるのに抵抗がある
  • 長年使用してきた印鑑を丁寧に処分したい

という方には、印鑑供養をお薦めします。

「印鑑供養」とは、使わなくなった印鑑を神社やお寺で供養・お焚き上げしていただく儀式です。

日本では古くから印鑑を「分身」として大切に扱う文化があり、印鑑を手放す際に供養する習慣は、江戸時代から存在していたと言われています。

一部の印章店では、印鑑供養の代行を行なっているほか、お近くの神社・お寺に持ち込み直接供養を依頼することもできます。

印鑑のほとんどは不燃物であることから、多くの寺社では引き受け不可となっており、お焚き上げしてもらえる寺社が限られているため、持ち込む前に必ず確認しましょう。

 

印鑑を送るだけ!「神社のお焚き上げ」サービス

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  • 印象店に持ち込むのが難しい
  • 近くに供養を依頼できる神社・お寺がない

という方には、佐賀県鹿島市にある祐徳稲荷神社が行なっている郵送お焚き上げサービス「神社のお焚き上げ」がおすすめです。

「日本三大稲荷」の一つに数えられる祐徳稲荷神社では、通年で郵送での供養お焚き上げを行なっており、専用サイトから「お焚き上げキット」を購入し、印鑑を専用封筒に入れて神社に送るだけ。
最短1.5ヶ月で供養していただくことができます。

「神社のお焚き上げ」サービスの利用手順は以下の通り。

  1. サイトから「お焚き上げキット」を購入する
  2. キットが自宅に届く
  3. 専用封筒に印鑑を入れて神社に送る
  4. 神社でご祈祷お焚き上げが行われる
  5. お焚き上げ完了後、「ご祈祷動画」と「お焚き上げ証明書」が届く

キットの購入にはクレジットカード、Amazon Payなどオンライン決済が使えるほか、送料も全て神社が負担してくれるので、時間・お金をかけずに、全国どこからでも簡単に印鑑供養を依頼できます。

「お焚き上げキット」は物の種類やサイズに応じて様々なタイプがあり、印鑑数本であれば「レタータイプ」のキットで税込1,980円〜依頼することができます。

印鑑ケース、木箱など大きめのものも一緒に送りたい方には「ボックスタイプ」のキット(税込7,480円〜)がおすすめです。

いずれのキットも個数制限はなく、規定サイズ内であれば何点でも受け付けてもらえるほか、印鑑以外のものもまとめて受け付けてもらえるので、神棚やお守り・御札、しめ縄など、他にもお焚き上げしたいものがある方は一緒に送りましょう。

古い印鑑の処分にお困りの方は、ぜひ「神社のお焚き上げ」サービスの利用を検討してみてください。

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